【最終予選】日本2連勝! リードを守りきり、スウェーデンを3-2で下す!

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華麗なコンビネーションで先制点を挙げた熊谷(左)、堀江(中央)、高橋=エスルスンド・アリーナ(撮影/荒木美晴)
華麗なコンビネーションで先制点を挙げた熊谷(左)、堀江(中央)、高橋=エスルスンド・アリーナ(撮影/荒木美晴)

平昌パラリンピック最終予選2日目が10日、スウェーデンのエステルスンドで行われ、日本はスウェーデンに3-2で競り勝った。日本は2連勝で、勝ち点を6に伸ばした。

■日本 3-2 スウェーデン

大一番でも、相手に追いつかれそうになっても、日本は最後まで落ち着いていた。

相手のスウェーデンは最近こそランキングを落としているものの、過去パラリンピックで金メダルを含む3つのメダルを獲得している強豪だ。その頭脳的な攻めを、先制点を挙げた日本がしのぎ切った。

0-0で迎えた第2ピリオド。相手の反則によるパワープレーのチャンスで攻め上がる日本は、堀江航(長野サンダーバーズ)から高橋和廣(東京アイスバーンズ)にパックをつなぐと、堀江が相手DFをひきつけて作ったスペースに高橋がパス。それに反応した熊谷昌治(長野サンダーバーズ)が右手で強烈なシュートを放ち、ゴールネットを揺らした。さらに攻撃をしかける日本は、残り3分、熊谷のゴール前への鋭いパスに吉川守(長野サンダーバーズ)がスティックを合わせ、追加点を決めた。

終盤、スウェーデンの猛攻をしのぐ日本代表
終盤、スウェーデンの猛攻をしのぐ日本代表

その直後、日本のペナルティの場面でスウェーデンに1点を返されるも、第3ピリオド序盤に日本が3点目を挙げて3-1と突き放す。だが、スウェーデンもあきらめない。5分49秒にはLundgren のシュートで追加点を許し、1点差まで追い上げられてしまう。その後、互いに決定打がでないまま時間は過ぎ、試合時間残り1分で日本がタイムアウト。対するスウェーデンはゴールキーパーをベンチにあげて、6人プレーで最後の賭けに出るが、日本はGK福島忍がゴールを死守。また全員が身体を張ったディフェンスで相手の猛攻をしのぎ、1点差を守り切った。

観客席では、初日のドイツ戦でプレー中に左鎖骨骨折のケガを負い、登録メンバーからはずれた三澤英司(北海道ベアーズ)が試合を見届けた。勝利が決まり、整列する時、チームメート全員が観客席を見上げ、三澤の名前を叫んでいた。

整列する選手たちの視線の先には、ケガのため戦線を離脱した三澤の姿が

2点目を挙げた吉川は、98年長野パラリンピックから三澤とともに日本代表として活躍している。試合後、吉川は「選手それぞれが、家族や応援してくれている人たちの思いを受けて、ここに来ています。そこに、今回は英司の故障があって、より一層、僕たちの力になったと思います」と話してくれた。

初戦を取ること、勢いに乗ること、仲間の思いをつなぐこと。その大切さを、改めて感じた2日目。壁を乗り越えた日本は、大会終盤に向け、集中力を高めていく。

■ドイツ 3-0 スロバキア

第2試合は、ドイツがスロバキアを3-0で下した。日本は2日間のオフを挟み、13日にスロバキア、14日にチェコと対戦する。

(取材・文・撮影/荒木美晴)