ロンドン2012, 陸上 — 2012/9/3 月曜日 at 22:45:09

「僕らは公平なレースを走ってない」 オリンピックにも出場したピストリウスの敗戦の弁

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レース後ミックスゾーンでインタビューに応える南アフリカのオスカー・ピストリウス(撮影/吉村もと)

現地時間2日に行われた陸上男子の200メートル(T44/切断などのクラス)で、アラン・オリビエラ(ブラジル)が、両足義足のランナー、オスカー・ピストリウス(南アフリカ)を破り、金メダルを獲得。試合後のインタビューで「多くの人が彼を倒すなんて無理だと思っていたけど、僕はそんなことはないのだと証明した」と興奮気味に話した。

レースは、オリビエラが残り20メートルほどで驚異の伸びを見せて、先頭を走るピストリウスに追いつき、オスカーよりも100分の7秒勝る21秒45のタイムでゴール。8万人の観衆がどよめいた。

パラリンピック3連覇がかかっていたピストリウスの敗北。憤った様子のピストリウスは、勝敗が決まった後、ゴール付近のミックスゾーンになかなか現れなかった。

その後、ようやく姿を見せたピストリウスは、言った。
「僕らは公平なレースを走ってない」

ピストリウスは続ける。 「オリビエラの義足の膝は本来あるべき位置より4インチも高い位置にある。僕はなにもオリビエラの走りを否定する気はないが、彼の長いストライドとは戦えない」

IPC(国際パラリンピック委員会)は「IPCにはブレードの長さに関する厳しい規定がある。長さは各選手の身長によって定められており、すべての選手はクラス分けの際、測定を行い競技にのぞんでいる」との声明を発表した。

オリビエラは「僕は最初からIPCの指示に従っているし、僕のブレードは何ヵ月も前から使っているものと同じものだ。僕はすべての手順を踏まえている。ピストリウスもそれを知っていると信じている」とコメントしている。

レース後、アラン・オリビエラと握手をするピストリウス

「義足が健常者よりも有利に働くのではないか」という論争を巻き起こしてきたピストリウス。2008年には、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴し、ピストリウスの義足が規約で禁じる「競技力向上を手助けする人工装置」にあたるとして五輪などの大会への出場を認めなかった、国際陸上競技連盟(IAAF)に勝訴。その後、義足を履きこなせるように太ももや上肢の筋トレに励むなど努力を続け、ようやくオリンピックの舞台に立ったのがロンドンだった。

そのロンドンで開催されているパラリンピックで、ピストリウスはまた義足についての論争を呼ぶ抗議をしてしまった。

(取材・文/加々美美彩、瀬長あすか)