【9月3日/第6日目】水泳・木村敬一が銀、鈴木は銅、陸上・伊藤も連覇逃す

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100メートル平泳ぎで銀メダルを獲得した水泳の木村敬一(撮影/吉村もと)

秋山の金メダルが誕生した水泳で、この日も2個のメダルが生まれた。開会式で旗手を務めた木村敬一(日大)は、視覚障害の100メートル平泳ぎで初のメダルを獲得。レースでは、コースロープに体をぶつける場面もあったが、2位でフィニッシュ。14秒00のタイムだった。ミックスゾーンに歩いてきたときには、ぽろぽろ涙を流しており「無我夢中だった。よくて3位と思っていたので、びっくりした」と話した。コーチの寺西真人さんも「むちゃくちゃ嬉しい。(同じ視覚障害の)秋山(里奈、明大院)や河合(純一、株式会社医療福祉総合研究所)もメダルを獲ってきたし、お前にもメダルを獲らせてやると言ったので、僕の指導者としての責任も感じていた」と涙した。

鈴木孝幸(ゴールドウィン)は本命の50メートル平泳ぎに出場。北京では予選で世界記録をマークし、金メダルを獲得した種目だ。現在もその記録は破られていない。この日は、得意のスタートダッシュで前半をリードしたものの、終盤にライバル2人に抜かれ惜しくも銅メダルに。連覇はならなかったが、北京後記録が伸びず苦しんだだけに、表彰式では清々しい表情を見せた。

銅メダルの鈴木はライバルたちと称え合う

陸上では前回大会の金メダリスト、伊藤智也(アッサTC・JA)が、400メートル決勝で2位となった。同じレース二出場した上与那原寛和(ネクスト)は失格だった。

視覚障害の5000メートルでは、実業団に所属する視覚障害選手、堀越信司(NTTマーケティングアクト)が登場。14秒48.89の好記録で5位になった。

団体種目では、シッティングバレーボールがウクライナに敗退。ボッチャは日本が混合団体を戦い、準々決勝でポルトガルに2―10で敗れ、ベスト4入りはならなかった。

車椅子バスケットボール男子は日本が属するグループBの最終戦で日本が英国に55—71で破れた。これで1勝4敗の成績に。順位決定戦でひとつでも上の順位を狙いたい。

ウクライナの壁は高かった

車いすテニスでは、女子シングルス2回戦で上地結衣(明石商業高校)が第7シードのSEVENANS(ベルギー)を7-6、6-2で破り、勝利した。対戦相手のSEVENANSはグランドスラムの常連選手。第1セットはタイブレークにもつれこむ接戦になるが、これを取って波に乗った上地はセットを連取。準々決勝進出を決めた。

クアードのダブルスは、諸石光照(岐阜車いすテニスクラブ)・川野将太(熊本車いすテニスクラブ)組が第1シードのLAPTHONRNE・NORFORK(イギリス)組にストレートで敗れたが、5日の3位決定戦にメダルの望みをつないだ。諸石は「大歓声にのまれてしまい、立ち上がりに緊張してしまった。3位決定戦では銅メダルを獲りに行きます」。川野は「ラリーにもちこめば勝機はあると思ったが、我慢しきれなかった。4年間、パラリンピックのためにやってきたので3位決定戦では走りと粘りでは負けな いようにしたい」と話した。

女子シングルスで8強に進んだ上地結衣

男子ダブルスでは、国枝慎吾(ユニクロ)・齋田悟(ロキテクノ)組が2回戦でオーストラリアペアにストレートで勝利。
また、眞田卓(埼玉トヨペット)・三木卓也(吉田記念テニス研修センター)組はタイのペアと対戦。7-5、7-5で接戦を制した。2セット目は1-4とリードを許す苦しい展開に。しかし、互いに声をかけあい、粘りのプレーで追い上げると、最後は疲れが見え始めた相手を翻弄する多彩なショットで突き放した。準々決勝は5日に行われる。

選手のコメント

水泳・木村敬一選手
「クロールメインで練習してきたけど、メダルを獲れず本当に悔しくて。でも獲れて本当によかったし、水泳をしてきてよかった。このためにやってきたので。(中学時代から指導を受ける」寺西先生の待っているところにゴールできてよかった。昨日の秋山さんの金が風を吹かせてくれた」

水泳・鈴木孝幸選手
「現時点でのいい泳ぎができた。他のコースは見えなかったので、ただ自分の泳ぎをしただけ。記録は残念だったし、『3位か』と思ったけれど、最近ではいいタイム。(レース後は)プレッシャーから解放された。4年間やり抜いた」

(取材・文/荒木美晴、瀬長あすか)