夏季競技, 陸上 — 2013/10/29 火曜日 at 10:01:16

大分国際車いすマラソン、スイスのマルセル・フグが4連覇達成

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T34/53/54クラスは、男子のマルセル・フグ(右から3番目)、女子のマニュエラ・シャー(左から3番目)がそれぞれ制した=大分市営競技場

33回目を迎えた「大分国際車いすマラソン大会」が27日、大分市で開催された。今年は16カ国から248人の選手(フルマラソン91人、ハーフ157人)が出場し、白熱のレースを繰り広げた。

山本浩がトラック争いを制して国内1位に

注目を集めたフルマラソンの部・男子T34/53/54クラスでは、2013リヨンIPC世界選手権でマラソンなど5冠のマルセル・フグ(スイス)がスタートから抜け出し、独走。2位の山本浩之(福岡県)に約5秒の大差をつけ、1時間23分49秒で4連覇を達成した。

マルセル・フグの圧巻の走りとともに、大会を盛り上げたのは熾烈な2位争い。レース終盤まで、副島正純(長崎県)、山本浩之、廣道純(大分県)、ハインツ・フライ(スイス)、久保恒造(北海道)らが集団を形成した。35キロを過ぎたところで副島と山本がスパートし、最後にトラック勝負を制した山本が国内トップに。4位争いもゴール前までもつれ込み、大分市営競技場につめかけた観客は大興奮で勝負の行く末を見守った。着順は、ハインツ・フライ(4位)、廣道(5位)、久保(6位)という結果だった。また、15キロ過ぎまで好位置にいた、日本記録保持者の洞ノ上浩太(福岡県)はパンクのアクシデントでリタイアした。

大分県庁前を一斉にスタートする参加選手

世界新記録の土田は2位

女子T34/53/54クラスは、マニュエラ・シャー(スイス)が1時間38分07秒の世界新記録で初優勝。過去6回優勝している土田和歌子(東京都)は、同タイムでフィニッシュしたものの、2位となり「ものすごく悔しい。(7月の)世界選手権でも全く同じ展開、同タイムでマニュエラ選手に競り負けた。もう少し自分でレースを組み立てないといけない」と唇を噛んだ。

男女ともにスイス勢が頂点に立った。レース後、マルセル・フグは「3回優勝している大会なので楽な気持ちで臨めた」、マニュエラ・シャーは「世界一幸せ」とそれぞれ語った。

4連覇を喜ぶマルセル・フグ

男子T51クラスは前回優勝の井上聡(愛媛県)が15キロの関門(制限時間)を越えられずリタイア、ステファン・ストローベル(ドイツ)が2時間37分15で優勝した。T33/52クラスの優勝は、サンティアゴ・サンツ(スペイン)。

ハーフマラソンの部は、男子T34/53/54クラスのピエール・フェアーバンク(フランス)が、初優勝を狙った21歳の渡辺勝(福岡県)を抑え、45分05秒で制した。

▼選手のコメントは以下の通り

土田 和歌子(女子T34/53/54・2位)

「気象条件がよく、風向きがよければ記録が出るかなと思いながら、スタートラインに立った。(男子やマニュエラ選手を含む)大きな集団の中で、あまり記録を意識しないよう、ただ積極的な走りを心がけました。最後の最後までも勝負がもつれると予想していて、36キロを過ぎてからは力をためて走っていたんですが……。大会記録が更新されて喜ばしいけれど、負けは負けなので悔しさが大きいです」

副島 正純(男子T34/53/54・3位)

「(ロンドン後、パラトライアスロンを始め)久しぶりの(マラソン)レース。練習量が少なかったわりにはまずまずの結果を残せた。スピードに関しては満足していないが、要所要所でパワーのある走りができたと思う」

久保 恒造(男子T34/53/54・6位)

「もっと積極的なレースをしたかったけれど、体が思うように動いてくれなかった。日本人トップを目指してやってきたので、悔しい気持ちはあるが、エネルギーすべてを出し切ることはできた。この悔しさを(出場が確定している、冬季のクロスカントリー・バイアスロン競技での)ソチパラリンピックにぶつけて、マラソンもまた来年やってやるぞという思いです」

ステファン・ストローベル(男子T51・1位)

「すごく疲れたけれど、(優勝できて)気分はいい。風がすごく強くて35キロ付近で気力が落ちかけ、前回出場したときのタイムと比べると遅かったけれど、ベストを尽くすことができた」

(取材・文/瀬長あすか)