車椅子バスケットボール — 2012/5/5 土曜日 at 0:28:30

”絶対負けない強い精神力”で、宮城MAXが大会4連覇!

by

3.jpg
宮城MAXのセンター・中澤正人(4.0クラス)は攻守にわたる活躍で大会MVPを獲得した/撮影:吉村もと

車椅子バスケットボールチームの日本一を決める「内閣総理大臣杯争奪 第40回記念 日本車椅子バスケットボール選手権大会」が5月2日から3日間の日程で、東京体育館で開催された。決勝では、第1シードの宮城MAXが、準決勝で前回準優勝の千葉ホークスを破って勝ち上がったNO EXCUSE(東京)を64-50で下して優勝、見事4連覇を達成した。

本大会は、全国の約90チームのなかからブロック予選を勝ち抜いた精鋭20チームが参加。トーナメント形式で頂点をめざした。初日から熱戦が繰り広げられ、宮城MAX、千葉ホークス、NO EXCUSE、埼玉ライオンズの4チームが準決勝に進出した。

【決勝】宮城MAX 64-50 NO EXCUSE

5.jpg
4連覇を達成し、笑顔で集合写真におさまる宮城MAXの選手、スタッフら

王者・宮城MAXは、ロンドンパラリンピックの代表候補選手を7人も擁する強豪チーム。対するNO EXCUSEは、元日本代表の及川晋平(4.5クラス)がプレイングコーチとして采配をふるい、実績のある菅澤隆雄(4.5)らベテラン勢力を中心に粘り強いプレーを展開。準決勝では千葉ホークスの14大会連続決勝進出を阻止し、2007年大会以来の決勝進出を果たした。

試合は、宮城MAXが6大会連続で得点王を獲得している藤本怜央(4.5クラス)を軸にプレーを組み立て、終始リードする展開に。NO EXCUSEはその藤本をマークしながら、元日本代表で海外でのプレー経験もある安直樹(4.0クラス)を中心に果敢に攻め込むが、宮城MAXのゴール下の厚い守りに苦戦。それでも、中盤には全員プレーで2点差まで追い上げ、最終ピリオドでの逆転に望みをかけた。

9.jpg
NO EXCUSEの安直樹は、スピードを活かしたプレーで観客を魅了

だが、王者も黙ってはいない。いったんベンチに下がっていたローポインターの東海林和幸(1.0クラス)らがコートに戻り、藤本のシュートコースを作るなど、次第にゲームをコントロール。センターの中澤正人(4.0クラス)もリバウンドを力強く奪い、完全にペースを引き戻した。そして、14点差で試合は終了。何度も右手でこぶしを握った藤本は両手を広げて天を仰ぎ、最後はチームメートと勝利を喜んだ。

136点を獲得した藤本が7年連続8度目の得点王に、また中澤がはじめて大会MVPに選出された。

優勝した宮城MAXの岩佐義明ヘッドコーチは試合後、「選手に『絶対負けない気持ち』があったので、自信はありました。決勝の前半は、NO EXCUSEの流れでしたが、(日本代表候補が7人いるチームなので、代表チームでの戦いを想定し)あえてプレスをかけずに戦ったので苦戦しました」と語った。

なお、決勝戦の後半から天皇、皇后両陛下が来場、白熱した試合を観戦された。試合後は、両チームの選手とロンドンパラリンピック日本代表候補選手らと懇談された。

【三位決定戦】千葉ホークス 66-44 埼玉ライオンズ

2.jpg
確実にゴールを重ね、チームの勝利に貢献した千葉ホークスのセンター・土子大輔(4.0クラス)

20代の選手が多く在籍し、準々決勝では前回ベスト4の富山県WBCを破った埼玉ライオンズが、過去9回の優勝を誇る千葉ホークスに挑んだ三位決定戦。試合は序盤から千葉ホークスが主導権を握った。ベテランの京谷和幸(1.0クラス)の3ポイントシュートや、ゴール下での鮮やかなパスワークなどで埼玉ライオンズを翻弄。若手のローポインター・植木隆人(2.0クラス)も献身的なプレーで攻守に活躍し、存在感を見せつけた。

一矢報いたい埼玉ライオンズは、チームの得点源である篠田匡世(3.5クラス)や大館秀雄(4.0クラス)がスピードを活かしてゴール下に切り込み、シュート。だが、果敢に攻めた結果、試合終盤には大館が5ファールで無念の退場。その後も積極的にゴールを狙ったが、追いつくことができなかった。

◆MVP:中澤 正人(宮城MAX)
中澤選手のコメント「MVPの名前が呼ばれた瞬間は驚きましたし、うれしかった。藤本選手にいつも助けられているので、今日は助けたい一心だった」

◆得点王:藤本 怜央(宮城MAX)
藤本選手のコメント「東日本大震災後、レベルが落ちた状態から、1年かけて(選手権に)強いチームとして戻って来られたので安心した。自分は体調不良だったが、(同じセンターの)ベストパートナー・中澤が頼りになった」

◆ベスト5
京谷 和幸(千葉ホークス)
森 紀之(NO EXCUSE)
藤井 新悟(宮城MAX)
永田 裕幸(埼玉ライオンズ)
安 直樹(NO EXCUSE)

8.jpg
埼玉ライオンズの大館秀雄は23歳。今後の飛躍が期待される

10.jpg
宮城MAXの岩佐義明監督は、ロンドンでも指揮官として頂点に挑む

(取材・文/荒木美晴・瀬長あすか、撮影/吉村もと)