アンプティサッカー, サッカー — 2013/11/7 木曜日 at 21:21:46

日本アンプティサッカー選手権、FC九州バイラオールが初優勝

by

決勝でハットトリックを決め、FC九州バイラオールを優勝へと導いた星川誠(撮影/吉村もと)

第3回日本アンプティサッカー選手権大会が3日、フロンタウンさぎぬまで行われた。全国の5チームが出場し、熱戦を展開。決勝はFC九州バイラオールがFCアウボラーダ川崎を4-2で下し、悲願の初優勝を果たした。

アンプティーサッカーは、事故や病気で手足を失った切断者のための7人制サッカー。クラッチと呼ばれる松葉杖を使い、選手たちは片足でボールを操る。ゴールキーパーは上肢切断の選手が行うルールがある。

世界では約30ヵ国で行われているが、日本での歴史はまだ浅い。2008年、この競技の元ブラジル代表で日系3世のエンヒーキ・松茂良・ジアス選手が来日したことをきっかけに始まり、2010年4月国内初のクラブチームが発足した。現在は全国7チームで約50人がプレーしている。 本大会は、選手たちにとって年に一度の公式戦であり、クラブ日本一をかけた決戦の舞台となっている。

バイラオールを勢いづけた先制点

過去2大会、連続準優勝だったバイラオールが立ち向かうのは、初出場のFCアウボラーダ川崎。前回、前々回優勝チームであるFCガサルスの中心メンバーが立ち上げた強豪チームだ。とくに、現在は日本代表のエースで、日本随一のストライカーであるエンヒーキは、バイラオールにとって「最強の敵」(加藤誠キャプテン)。その得点を最小限に押さえることが勝利への条件だった。

バイラオールは序盤からエンヒーキを徹底的にマークした。まず存在感を発揮したのは18歳の萱島比呂。体を張った攻めのディフェンスでエンヒーキからボールを奪取し、前線に飛び出したフォワードの星川誠にパスを送る。「練習通りのかたち。押し込むだけだった」という星川が豪快に決めて先制。待望の先制点に、バイラオールの選手たちは喜びを爆発させた。

日本代表のエースでもあるアウボラーダのエンヒーキ・松茂良・ジアス

焦りの色を見せる相手を前に、星川は前半だけで3点を決める活躍。また、守備では萱島ら複数のディフェンス陣で粘り強く守ることで、エンヒーキを自由にさせず、バイラオールが試合を優位に進めた。

しかし、なんとしても追いつきたいアウボラーダも黙ってはいない。エンヒーキが距離のあるフリーキックを浴びせ、2ゴールを返す。さらに後半は、エンヒーキの角度のないコーナーキックに加え、カウンター、セットプレーなど多彩な攻撃を展開。だが、バイラオールより1試合多い3試合を戦っている彼らの足が止まり始めたタイミングで、バイラオールの加藤がゴール左前でひとり交わして、アウトサイドのシュート。ボールはゴールの右隅に突き刺さり、試合を決定づける追加点をあげた。

初優勝し、喜びをかみしめる加藤(中央)らバイラオールの選手たち

試合はリードを守り続けたバイラオールがを4-2で勝利。MVPには、攻守ともに活躍した萱島が選ばれた。

試合後、キャプテンの加藤は「3回目の挑戦で、ついに優勝できた。(フィールドプレーヤー6人で戦い抜いたが)最後は体力が尽きてしまったので、来年はベンチワークも効果的にできるよう、選手を増やしていきたい」と笑顔で語った。

▼選手のコメントは以下の通り

エンヒーキ・松茂良・ジアス(FCアウボラーダ川崎)

「優勝を目標にしていたので、負けてしまって悔しい。(決勝の相手である)バイラオールは(FCガサルスのメンバーとして出場した)前回、前々回は勝っていた相手で、勝てない試合ではなかった。でも、今日は相手の力が上だったということ。決勝の後半は体力的にきつかったので、体力アップが必要だと思う。来年は、コンディションをもっと高めて、チーム一丸となって優勝したい」

大会終了後、集合写真に納まる出場選手

星川 誠(FC九州バイラオール)

「FWとして(点を取る)活躍ができ、勝ててよかった。来年は優勝と、今大会取ることができなかったMVPも狙っていきたいです。(2014年12月に)ワールドカップもあるので、日本代表に選ばれるようにがんばりたい」

(取材・文/瀬長あすか、撮影/吉村もと)