ブラインドサッカー — 2011/12/23 金曜日 at 23:43:12

日本代表、韓国に逆転勝利! 初めてのパラリンピックに一歩前進

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手に汗握る試合となった日本対韓国

ブラインドサッカーの2012年ロンドンパラリンピック出場国を決める「IBSAブラインドサッカーアジア選手権大会」が、25日まで元気フィールド仙台(宮城県仙台市宮城野区)で開催中だ。初のパラリンピック出場を目指す日本代表は、22日の初戦で北京パラリンピック銀メダルの強豪、中国に0ー2で敗れたが、23日の韓国戦では2ー1で逆転勝ちをおさめて一勝一敗。明日は、ライバルのイラン(広州アジアパラ競技大会2位)戦に臨む。

強いハートで走り続けた韓国戦

今大会は、すでにロンドンパラリンピック出場権を獲得している中国に次ぐ上位チームに、パラリンピック行きの切符が与えられる。日本の予選2試合目の相手は韓国。ここで負けたら終わりだ。日本は前回のアジア選手権こそ韓国に勝利しているが、昨年の広州アジアパラ競技大会順位決定戦では、韓国にPKで敗れている。観客席を埋めた多くの応援団が声援を送るなか、試合は始まった。

前半、日本はトップの佐々木、ひざにケガを抱える黒田がベンチスタート。ドリブルで攻め上がってくる韓国のNO.4を抑えながら、慎重にフォーメーションを整える。互いに譲らず、ドリブルとそれを体で阻止する展開。そんななか、日本のファールが累積4となり、PKを得意とする相手NO.14に絶好の第2PKを与えてしまう。だが、NO.14が蹴ったボールの軌道は枠の右へ。日本は、前半をスコアレスドローで折り返した。

後半、エース黒田とボールキープ率の高い佐々木の攻撃が敵陣に揺さぶりをかけていたが、中盤でNO.4にスルリとボールを奪われる。日本の守備への切り替えしが遅れたところを、ドリブルで上がったNO.4がニアからシュート。日本がほしかった先制点を、韓国に許してしまう。

雪の舞い散る仙台に、一瞬暗雲が立ちこめた。「絶対にあきらめるな!」と、コーラーの魚住が声を張る。再び前を向いた選手たちは韓国ゴールに果敢に向かった。だが、焦りがあるのかゴールがなかなか決まらない。ストレスの溜まる展開が続く。そんななか中盤の落合がピッチに入る。左サイドから右サイド前線の黒田にパスを出すなどゲームメイクをするが、やはりゴールには結びつかない。残り7分。風祭監督はトップの佐々木を交代させ、思い切って落合をトップに起用した。

風祭監督は話す。
「後ろにパスを出す場面があったので、前に置いた方が落合の良さがいかされると考えました」

「監督の指示でFWに点をとる仕事に集中できた」と落合。
その起用がズバリ的中した。

コーナーキックから相手と競り合い、ゴール正面に落ちたボールを、踏み込んでシュート。ミートしたボールはゴールに吸い込まれた。残り時間6分56秒、日本は土壇場で追いついた。

「先制された瞬間、少し動揺しましたが、まだまだ時間はあると思っていました」と言うのは、再三、粘り強くドリブルからのシュートを放っていた黒田。

その黒田にチャンスが訪れたのは、試合終了1分前。体力が落ちて守備への反応が鈍くなった韓国を振り切り、フリーに。右足から放ったシュートがゴールに突き刺さって逆転。人差し指を高く掲げながら、黒田は仲間のもとへ走った。

試合はそのまま終了。苦しい展開を1ー2でものにした「過去最高のゲーム」(風祭監督)。

エース黒田のケガがチームに与える影響は大きい。だが、誰もが得点できるチームになった日本の成長を、落合のゴールが証明した。最後まで走って2位になった前回大会。それに加えて、今回は個々のシュート力、組織的な守備も上達した。そして、土壇場でもあきらめないメンタルの強さが、結果を呼び込んだ。4年前の悔しさを共有し、成長を遂げてきたチームが日本である。

明日は宿敵・イラン戦。ブラインドサッカー日本代表はチーム一丸となって勝利し、パラリンピック切符を獲得する。

(取材・文/瀬長あすか)