ゴールボール, 夏季競技 — 2014/8/12 火曜日 at 8:03:04

ジャパンパラ、初代女王は日本A代表!

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日本代表の攻撃の中心を担う安達。得点を決め、快心のガッツポーズ!=有明スポーツセンター/撮影:吉村もと

「2014ジャパンパラゴールボール競技大会」が8月8日から3日間の日程で、江東区の有明スポーツセンターで開催された。

日本障がい者スポーツ協会主催のジャパンパラは、国内における競技力向上と記録の公認を図ることを目的に、水泳、陸上などの競技が実施されている国内最高峰の大会。今年度からロンドンパラリンピック金メダルのゴールボール(女子)、同4位のウィルチェアーラグビーが新たに加わった。

今大会は、昨年のアジアカップで日本が唯一敗北した強豪オーストラリア代表を招き、日本チームのA代表・B代表のあわせて3チームが出場した。総当たり3回の予選を行った結果、日本A代表(6勝0敗)とオーストラリア代表(2勝1分3敗)が決勝に進出。その決勝では、ロンドンパラリンピック金メダル獲得時の主力メンバーを擁する日本A代表が攻守でオーストラリアを圧倒し、初代女王に輝いた。

パワーのある投球を繰り出す欠端

リオを見据えて進化する日本A代表

決勝でも、さすがのチーム力が光った。予選を全勝で通過した日本A代表は、センター浦田理恵を中心にした堅い守りでリズムをつくると、レフト欠端瑛子のクロスで先制。チーム随一の攻撃力を誇るライト安達阿記子は、相手にコースを読まれないよう、自陣のセンターとレフトの間に回り込んで投げる技ありショットで追加点を決めた。さらに安達は、「現在、猛特訓中」だという縦に回転する力強いボールを、あえて相手の体に当ててバウンドさせてゴールするなど、最終戦の疲労を感じさせない活躍を見せた。この猛攻でオーストラリアのスタミナを奪い、終始日本のペースで試合を決めた。

キャプテンの浦田は、大会を振り返り「決勝では、予選ではできなかったパーフェクトディフェンスができた」と笑顔で話しつつ、「失点をゼロに抑えて、1点でも多く得点する。そういう貪欲な戦いをすることが当面の課題。全勝優勝は果たせたが、世界はもっと強い。10月のアジアパラ競技大会では、勝ち方にもこだわりたい」と気を引き締めた。

若手中心に来日したオーストラリア

ゴールボール女子日本代表の世界ランキングは、現在3位。7月の世界選手権(フィンランド)では4位に終わり、3位以内に与えられるリオの切符を手にできなかった。来年5月に再び、リオの出場権がかかった国際大会に挑む。「目指しているのは世界の頂点」(安達)であり、「今大会は、世界で戦うために課題をクリアする場」(浦田)だった。日本代表の江黒直樹ヘッドコーチは、「点を取られたら取り返す攻撃力の向上」と「強豪国からデータを分析されても、多くのパターンを繰り出すことで戦術を読まれないようにするために、選手それぞれが複数ポジションをこなせるようになること」を課題に挙げ、大会に臨んでいた。

攻撃の要である安達は、「世界選手権では、投球時に気持ちが前へ前へ出てしまったことで、ハイボール(投げたボールが既定のエリアでコートに触れないファール)などのミスをしてしまい、負けにつながったと感じている。今大会では修正し、どんな場面でもしっかりと回転のかかったボールを投げることができた。また、(大会初日に)初めてセンター(という今までと異なるポジション)としても戦ういい経験ができた」と課題への手ごたえを口にした。

パラリンピック連覇のカギを握る若手たち

日本B代表を牽引した若杉(写真右)

さらに、江黒ヘッドコーチがテーマに掲げていたのが「若手の育成」だ。ロンドンパラリンピックで控えメンバーだった21歳の欠端は、「フル出場したことで、24分間しっかり戦い続ける体力面の未熟さを感じた」と話す。今大会1勝もできずに散った日本B代表には、同じく控えだった19歳の若杉遥、陸上から転向した24歳の天摩由貴ら伸び盛りの選手がいる。とくに若杉は「今回日本B代表に編成されたことで、今までいかに浦田選手や安達選手に頼っていたかを気づかされた。日本A代表で戦うときも、自分からいろいろ提案できるようになって、ゲームメークもしていける力をつけていきたい」と話しており、頼もしい存在だ。パワーのある海外選手、そして日本のトップチーム相手に実戦を重ねた経験は、今後世界で戦う彼女たちの糧になるに違いない。

パラリンピック連覇を目標に、チーム一丸となって進化を遂げようとしているゴールボール女子日本代表。まずは、10月のアジアパラ競技大会(韓国・仁川)で成長したチーム力を試すつもりだ。

(取材・文/瀬長あすか、撮影/吉村もと)