柔道 — 2011/11/29 火曜日 at 12:54:35

ロンドンの出場権を占う、第26回全日本視覚障害者柔道大会

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ベテラン広瀬誠を相手に20歳の上野裕介(写真右)が善戦、注目を集めた=男子66kg級/撮影:吉村もと

11月27日、年に一度の「第26回全日本視覚障害者柔道大会」が講道館で行われ、2012年ロンドンパラリンピック出場をねらう選手らが出場、優勝を争った。注目の男子66㎏級は、2011年IBSA世界選手権大会(トルコ)で銅メダルを獲得した広瀬誠が制した。

王者不出場の男子66㎏級は広瀬が優勝

パラリンピックを翌年に控えた今年の日本選手権。代表選手の選考会として位置づけられるはずだった。だが、現時点で日本の出場する体重クラスが決まっていないため、選考会は後日行われることに(※)。その影響で、男子66㎏は、パラリンピック3連覇の実績を持つ前回王者、藤本が欠場。北京パラリンピック後、減量の負担軽減と筋力アップのために60㎏級から階級を上げた広瀬は、ライバル不在のリーグ戦を戦った。

「いまの目標はロンドンパラリンピックに出場すること。今年に入ってからは、(出場権を争う)藤本さんに勝つことだけを考えて練習をしている」という広瀬。

優勝のかかる、大学2年生の上野裕介との対戦では、踏ん張る相手になかなか技を決めさせてもらえなかったものの、落ち着いた試合運びで一本勝ち。

勝利の喜びもつかの間、「試合を通じて同じ動きができるようにならなくては」と、スタミナ不足を課題に挙げ、来春に予定されるパラリンピック選考会に向けて気を引き締めていた。

その他、男子73kg級では、高橋秀克が圧倒的な力を見せて優勝。トーナメントで争った都道府県対抗の団体戦は、埼玉県が接戦の末に大阪府Aを下して連覇を飾った。愛知県と茨城県の対戦では、同じ階級の広瀬(愛知県)と上野(茨城県)が再び対決。個人戦で破れた上野が広瀬に優勢勝ちし、大会を盛り上げた。

男子66㎏級準優勝の上野裕介選手のコメント
「気の抜けない試合が続いたが、団体戦で広瀬さんに勝利できたのはよかった。学業と柔道の両立が課題だが、スタミナとパワーをつけて、広瀬さんとまた対戦したい」

男子100㎏超級優勝(不戦勝)の正木健人選手のコメント
「練習はしっかりできているが、ロンドンパラリンピックの出場権が決まっていないので、不安な気持ち。国際大会の出場経験は(金メダルを獲得した)IBSA世界選手権大会のみ。気持ちを上げていかなればいけない」

▼第26回全日本視覚障害者柔道大会
男子60kg級 優勝 平井孝明
男子66kg級 優勝 広瀬誠
男子73kg級 優勝 高橋秀克
男子81kg級 優勝 加藤裕司
男子90kg級 優勝 初瀬勇輔
男子100kg級 優勝 北薗新光
男子100kg超級 優勝 正木健人
男子シニア 優勝 牛窪多喜男
女子63kg以下級 優勝 半谷静香
都道府県対抗戦 優勝 埼玉県

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女子63kg以下級優勝は半谷静香

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牛窪多喜男さん(写真左)の道場に所属する埼玉県の選手たち

(取材・文/瀬長あすか、撮影/吉村もと)

(※)ロンドンパラリンピック出場資格について(NPO法人日本視覚障害者柔道連盟 柿谷専務理事の話)
パラリンピックに出場できる国と地域の枠は「12」(開催国であるイギリスと普及段階にあるアフリカを含む)。過去2年間(2010年-2011年)の国際大会のポイントを合算し、ポイント数が高い国に出場権が与えられる。出場国は、その期間に国際大会に出場している選手の中から選考を行い、男子7階級(計6人まで)、女子は5階級にエントリーできる。
ロンドンパラリンピックから選考の新規定として、障害が重い選手(例/全盲=B1カテゴリー)が軽い選手(例/弱視=B2カテゴリーなど)に勝利すると「ボーナスポイント」が与えられるので、それぞれの選手に与えられる障害レベルのクラス分けが重要になる。
日本で選考の対象になる選手は19人だが、4月に行われたIBSA世界選手権大会でIBSAのドクターによるクラス分けを受けられなかった8人は、12月22日に仙台で行われるクラス分けを受けなければポイントが確定しない。また12月にヨーロッパ大会が行われるため、その大会が終了した後、世界ランキングが発表されて出場国が決定。日本国内の選考は、出場する体重クラスの決定後、選考試合が組まれる(来春の予定)。