パワーチェアーフットボール — 2011/11/2 水曜日 at 9:50:22

目指すは世界一! 電動車椅子サッカー日本代表が第2回FIPFAワールドカップに出場

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第2回FIPFAワールドカップで優勝を狙うパワーチェアーフットボール日本代表チーム/撮影:瀬長あすか

合言葉は“なでしこに続け”――。現地時間2日、パワーチェアーフットボール(電動車椅子サッカー)の日本代表が出場する「第2回FIPFAワールドカップ」がフランスのパリで始まる。前回4位の日本は、早いパス回しで展開する“自分たちらしいサッカー”で世界一を目指す。

電動車椅子のサッカーは、バスケットボールのコートを使用し、1チーム4人(ゴールキーパーを含む)でプレーする。車椅子の前方に取り付けた金属製のフットガードで、直径32.5cm(一般的なボールのサイズは22cm)のボールを運び、ゴールを目指す。車椅子の速度には規定があり、日本国内では時速6km以下に制限されるが、国際ルールでは時速10km以下。日本で開催された国際大会、「第1回FIPFAワールドカップ」(2007年/東京)では、「パワーチェアーフットボール」の愛称にふさわしい、スピーディーでパワフルな試合が展開された。以降、日本でも国際大会に対応できるよう年に一度、時速10km以下のルールで大会が開催されている。

初めての海外遠征

日本でこの競技がはじまったのは1982年。アメリカやカナダなどで「パワーサッカー」と呼ばれる重度身体障害者のスポーツをヒントに、大阪で考案された。その後、日本における電動車椅子サッカーの統括団体、日本電動車椅子サッカー協会が発足。各地域のブロック大会、各ブロック予選を勝ち抜いた16チームよる日本選手権が定期的に開催されており、2011年現在、全国35チームが協会登録チームとして活動している。日本代表は、2007年に電動車椅子サッカーの大会としては初めてとなるワールドカップに出場(7ヵ国中4位)。第1回大会は日本で開催されたため、チームとしての海外遠征は今回が初めてとなる。

ワールドカップ前最後の調整の場となった、9月の日本代表合宿。選手たちは現地入りから第一試合までを想定して過ごした。国内の有志選手と壮行試合を行い、学生団体infinityからエールが送られた。前回大会から連続出場となる北沢洋平選手は「いよいよという気持ちになってきた。4年前の大会で4位だった悔しさを晴らし、日本代表のガッツあるプレーを見せたい」と意気込む。

目標は、前回届かなかった優勝だ。城下健一ヘッドコーチは「ボールを早く動かせれば勝機はある」と語る。前回大会を経験している選手は代表8人中3人。経験は多いとは言えないが、チームが一度ワールドカップに出場したことで「チーム全体の目標がさらに明確になり、いい練習を重ねることができた」という。

出場10ヵ国の頂点を目指す

電動車椅子を操作して行うこのサッカーは、車椅子を旋回させるなどしてパスやシュートを行う。おのおのの車椅子の幅が長く、コートも小さいため、密集になると、どうしても動けるスペースが狭くなる。日本代表合宿では、仲間からのパスをトラップせずに、ゴール前の選手に素早く強いパスを出すシーンが見られた。相手のふいをつく、この早いパス回しこそ日本チームが目指すサッカーなのだ。

001.jpg9月19日に行われた日本代表合宿で選手に指示をする城下ヘッドコーチ=横浜ラポール

日本電動車椅子サッカー協会の高橋弘会長によると、日本は前回優勝のアメリカ、ホーム開催のフランスに並ぶ優勝候補という。

「自分たちのサッカーを貫きたい」と城下ヘッドコーチ。

前回大会で日本代表のアドバイザーを務めた岡田武史さん(元日本代表監督)は、「今回のチームは世界一を狙えるチーム。目標を高く持ち、頑張ってほしい」とメッセージを送る。

日本の初戦は現地時間の11月3日。強豪のアメリカが対戦相手だ。現地からは、得点力のある城下歩選手がクラス分けで出場不適格となり、出場できないという残念なニュースが入ってきたが、チームワークで勝利してほしい。

◎日本代表選手
林隆一
有田正行
吉沢祐輔
城下歩
塩入新也
北沢洋平
中野勇輝
飯島洸洋

◎大会公式ページ
http://www.worldcupfipfa-paris2011.org/

◎ワールドカップTV(ベストゲーム&ハイライト放送)
http://www.worldcupfipfa-paris2011.org/eng/media/world-cup-tv/don%E2%80%99t-miss-any-of-the-world-cup-games/

(取材・文・撮影/瀬長あすか)