ウィルチェアーラグビー — 2011/4/24 日曜日 at 23:10:59

ウィルチェアーラグビー仲里進、渡米2年目のシーズン終わる

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<全米選手権・予選リーグ>「テキサス・スタンピード」の日本人選手・仲里進(写真右)。全米を制した「Tucson Pterodactyls」のトラビス・ムラオと激しく競り合う/提供写真

4月15日~17日、ウィルチェアーラグビーが盛んなアメリカで、2010-2011シーズンの全米選手権が行われた。日本の仲里進が所属するテキサス・スタンピードは6位。渡米2年目の仲里にとって悔しいシーズンとなった。

初めてのマシンアクシデントを経験

「半年のシーズンが終わってしまった。思うようなプレーができず、不完全燃焼の選手権だった」
3日間の戦いを終えた仲里の胸に、やりきれない思いが残った。「来年に向けて切り替えたい」と前を向くも、その言葉に力がなかった。

大会前日。拠点のテキサスから大会会場のレイクショア財団があるアラバマに向かう飛行機で、アクシデントは起きた。飛行機での搬送中に競技用車いすのフロントキャスターが壊れたのだ。メカニックが応急措置を施し、初戦に間に合わせたものの、大会主催者に規則違反と判断された。結局、試合後半からの出場となり、チームは敗れた。

その後も、仲里はマシンを改良しながら予選を戦ったが、本調子にはほど遠かったようだ。「車いすをうまく操作することができず、いつも通りに動けなかった」。ウィルチェアーラグビーは持ち点制で行われるため、ひとりが欠けると充分なラインが組めないことがある。テキサス・スタンピードは予選リーグ3戦全敗だった。

「マシンを元の状態に近づけようと何度も調整してもらったけれど、微妙な違いをうまく伝えることができなかった。言葉の壁もあった」

予選後、ようやく歯車が回り出したテキサス・スタンピードは、クロスオーバーゲームで勝利し、5-6位決定戦に進出。最終順位を6位とした。仲里は、昨シーズンに続き、持ち点2.5クラスの個人賞「All Tournament Teams」を受賞した。

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仲里(右から2人目)は、レイクショア・デモリッション在籍時の通訳ボランティアらと募金活動を行った/提供写真

大会は、アメリカ代表のチャック・アオキ(3.5クラス)らがいるTucson Pterodactylsが、決勝でPortland Poundersを47-45で下して優勝。Portland PoundersのWill Groulx(2.0クラス)がMVPに輝いた。

また、会場では、現地の日本人らによる、東日本大震災の募金活動が行われた。
試合の合間、観客らに募金を呼びかけた仲里はいう。「みんな快く賛同してくれて、たくさんの協力があった。プレーを続けることや僕にできることを探して、少しずつでもやっていきたい」

故郷の沖縄から世界へ羽ばたく

「沖縄から世界へ」
沖縄で生まれ育った仲里が自ら掲げるテーマである。
その2年目の挑戦は、マシントラブルという不運な形で終わってしまった。

だが、アメリカ代表監督ジェームス・ガンビーが指揮するテキサス・スタンピードで、ラグビーに没頭した日々は、充実感に溢れていたはずだ。
来季も同チームでプレーすることを願っている仲里。自ら誓ったそのテーマを、来シーズンも、世界のトップ選手が集まるアメリカで掲げてほしい。

(瀬長あすか)