車椅子ツインバスケットボール — 2009/6/14 日曜日 at 8:43:56

ツインバスケの選手権大会、沖縄フェニックスが2連覇を達成!

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大会ベスト5に選ばれた沖縄フェニックス當間のバックダンク
ツインバスケは一般のバスケット(上ゴール)と1.20mの円内ゴール(下ゴール)があり、各選手の障害のレベル等によってシュートできるゴールやエリアが異なる。写真は、大会ベスト5に選ばれた當間(沖縄フェニックス)のバックダンク

6月6日・7日、「厚生労働大臣杯争奪 第23回 日本車椅子ツインバスケットボール選手権大会」が新潟市東総合スポーツセンターで開催された。
チーム日本一の座をかけて争われる本大会は、日本車椅子バスケットボール連盟に登録する35チームのうち予選を勝ち抜いた14チームが出場。2日間に渡って白熱した戦いが繰り広げられた。

7日に行われた決勝では、沖縄フェニックスがキャロッツ(兵庫)を68-56と圧倒し、2連覇を達成した。

2つのバスケットを使い分けるツインバスケの面白さ

車椅子ツインバスケットボールは、四肢まひ者などが楽しめるように考案された日本生まれのスポーツ。一般的な3.05mの高さのバスケットに加え、1.20mの低いバスケットを使用する他は、一般に知られる“車椅子バスケ”(脊髄損傷者などによるバスケ)のルールとほぼ同じ。選手にはそれぞれ障害のレベルによって持ち点が与えられ、コートに上がる5人の持ち点の合計が11.5点を超えてはならないルールがある。

また、持ち点とは別に、選手各々の障害のレベルや運動能力によってショット方法が定められ、ヘッドバンドの色や有無により、3つに区分される。ショット区分は、上シューター(上ゴールにショット/ヘッドバンドなし)、円外シューター(下ゴール、フリースローサークルの外からショット/白バンド装着)、円内シューター(下ゴール、フリースローサークルの中からショット/赤バンド装着)となっている。

バスケットを2つ使用することから、特殊で複雑なルールに感じるかもしれないが、“車椅子バスケ”同様に激しい攻防が見られ、見る者も楽しめる競技だ。
個々のプレーはもちろん、2つのバスケットを効果的に使い分ける戦術、チームメートの機能や能力を知るからこそ生まれる見事なパスワーク、相手を手玉に取る頭脳プレーなど見どころは多い。

日本最高峰の舞台である本大会では、上位チームによる磨きぬかれたプレー、トップ選手の巧みなターンが会場を沸かせた。

沖縄フェニックス、2連覇に王手!〜苦戦を強いられた準決勝

山場は準決勝だった。
大会1日目、千葉ピーナッツに65-50と快勝した王者・沖縄フェニックスは、2日目に行われた準決勝で、3年連続同じ顔合わせとなる宿敵・神奈川ジャンクスに苦戦を強いられる。「一番きつかった」と大会ベスト5に選ばれた當間が話すとおり、終盤まで勝敗のわからない接戦となった。

その準決勝――
先手を取られた沖縄は、神奈川の正確なパスワークと強固なディフェンスに苦しみ、終盤までリードを許す。

第3ピリオドが終わって2点ビハインドの40-42。
しかし、沖縄に焦りはなかった。
「我慢勝負だ」。インターバルで、コーチの神里は選手たちに声をかけた。
勝利への強い信念が、沖縄に流れを引き寄せる。

第4ピリオド。冷静さで勝った沖縄は、ボールを仲里に集めて着実にゴールまで運び、ついに試合をひっくり返す。そのままリードを守った沖縄は、58-52で神奈川を降し、決勝にコマを進めた。

沖縄には、前回MVPの仲里と今大会ベスト5の砂川という二枚看板がいる。頭抜けた決定力を持つふたりが、交互にコートインして上ゴールで得点を重ね、その一方で、円内の當間、円外の山川が下ゴールで決める。それぞれの動きが、キーマンとなる上シューターを盛り立てていた。

再び、頂点へ〜強さを誇示した決勝戦

優勝した沖縄フェニックスのメンバー
2連覇を達成し、笑顔を見せる沖縄フェニックスのメンバー

そして、決勝戦――
2連覇を狙う沖縄に立ち向かうのは、準決勝で強豪Horsetail(東京)を撃破したキャロッツだ。

序盤から気迫のこもったプレーを見せた沖縄は、スピードとパワーでキャロッツを圧倒する。
一方のキャロッツは、上シューターの今井が激しい当たりで応戦するも、山川、砂川のシュートが止まらない沖縄を相手に差を縮めることができず、68-56で試合終了。沖縄フェニックスが2年連続となる優勝を決めた。

圧巻は、円外から効果的なシュートを放った山川だった。
その鮮やかさは、客席から歓声が上がるほど。
キャプテンでもある山川の活躍は、沖縄に幾度も流れを作り出した。

大会MVPには、その山川が輝いた。受賞した感想を求めると「メンバーがフリーで打たせてくれたから……」とはにかみながら答えてくれた。

容易ではなかった連覇への道

追われる立場の苦しみもあったかもしれない。今大会の4強は、キャロッツ、Horsetail、神奈川ジャンクス、そして沖縄という昨年と同じ顔ぶれ。勢力図は、沖縄一強状態ではない。前回覇者である沖縄の背中を追い、厳しい練習を重ねてきた強豪チームもあるという。
「昨年は練習を積んでようやく優勝をつかんだ実感があった。でも、優勝してからこの1年はもっときつかった」
そう語る當間の言葉には連覇の重みがあった。

沖縄の優勝で幕を閉じた今年の選手権大会。来年はどのチームが全国を制するか。
彼らの熱い戦いに、今後も注目していきたい。

23回を数える選手権大会。チーム日本一をかけて白熱した試合が繰り広げられた
23回を数える選手権大会。チーム日本一をかけて白熱した試合が繰り広げられた

第23回選手権大会の結果は、以下のとおり

優勝  沖縄フェニックス

準優勝 キャロッツ

個人賞

<MVP>
山川 淳二(沖縄フェニックス)

<得点王>
深澤 康弘(神奈川ジャンクス)

<ベスト5>
當間 貴志(沖縄フェニックス)
内間 寿正(沖縄フェニックス)
砂川 昭人(沖縄フェニックス)
櫻井 宏樹(キャロッツ)
草間 智(キャロッツ)

(取材:瀬長あすか)