アルペンスキー, バンクーバーパラリンピック — 2010/3/20 土曜日 at 16:21:05

【バンクーバーパラリンピック】日本勢のライバル倒し、狩野が金!

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スーパーGで金メダルを獲得した狩野亮/撮影:ナカハル

現地時間19日、ウィスラー・クリークサイドでアルペンスキーのスーパーGが行われ、男子座位の狩野亮(LW11)が金メダル、森井大輝(LW11)が銅メダルを獲得した。

フィニッシュ後、狩野はウィスラーの晴天に右手の拳を突き上げた。

[Akira KANO]
スコアボードの一番上に目をやると、自分の名前が表示されていた。

「最高!」

前日、W杯年間総合2位の実力がある滑降(ダウンヒル)で銅メダルを獲得し、兄貴分の森井とともに表彰台に上った。滑降のレース前は、頭痛するほど緊張した。だが、会心の滑りで、のどから手が出るほどほしかったメダルを手にし、一夜明けた今日は少し気持ちを楽にして臨めた。

この日の雪は、氷のような苦手な雪だった。暫定1位は、日本勢のライバル、BRAXENTHALER Martin(LW10-2/ドイツ)、2位は日本の森井大輝。伴コーチから無線で森井のラップが出ていると伝えられた。前半は抑え気味だったが、後半は攻めに攻めてスピードに乗った。そして、狩野がリーダーになった。

「マーチンをやっと引きずり落とせました」

ライバルを抑え、狩野は金メダルを獲得。日本チームの主将である森井は「競技者としては亮(狩野)に負けたことは悔しい。でも、マーチンを倒すことが悲願だったから、僕の分身の亮がマーチンを倒してくれたことが本当にうれしい」とほほ笑んだ。

森井は銅メダル、そして前走者の転倒でリスタートとなった鈴木猛史も5位に食い込んだ。
「これから世界最強の日本チームを作っていきたい」と森井は話す。その手始めとして、3人そろって入賞を果たす、強い日本を見せつけた。

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狩野亮と森井大輝は連日の表彰台だ

頂点を極めた気持ちはない。
「今日のレースでたまたま勝っただけ。天候や雪の状態に左右されるし、テクニックはまだまだ。今後はチェアスキーの開発にも力を入れて4年間を過ごしたい」
首にかかる金メダルを「うれしいし、重たいけれど、正直荷が重い」という、24歳のチャンピオンは控え目だ。

ソチでは、一緒に表彰台に上がった森井とともに、最強の日本チームをつくるつもりだ。

銀メダルだったMartin BRAXENTHALER(ドイツ)のコメント

レースについて
「僕は悪くないと思っていたけど、ベストな滑りでなかったことも事実だね。いいラインをみつけられなかった。銀は不本意だ」

明日のスーパーコンビについて
「僕はいつもこれが一番速いし、強い。明日に期待するよ」

ドイツのパラリンピックスキーチームの強さについて
「僕とゲルト(シェーンフェルダー)は、本当に長いことスキー競技とパラリンピックに身をささげてきた。特に、ここ10年間はものすごくトレーニングをしたし、すばらしい道具類も持っている。ドイツ障害者スキーチームは本当にすばらしい。僕たちは完璧なトレーナーと医師とフィジオセラピストを抱えているよ」

男子立位で金メダルを獲ったGerd SCHONFELDER(ドイツ)のコメント

「いつでもレースに勝つと嬉しいよ。先週はプレッシャーが大きくてきつかったけど、金3個と銀1個はすごく嬉しいね。20年もモチベーションを保ち続けてる理由? 僕の最初のパラリンピックは1992年のアルベールビル。今とは何もかもが違ったけど、回を重ねるごとに良くなってるよ。トリノからルールが変わって、(立位、座位、視覚の)3カテゴリー制になったから、僕のクラス(立位)に競技者が増えたけど、それがさらにやる気を奮い立たせるね。来年引退したら、コーチの資格を取って、若手たちに教えるつもりだよ」

女子座位で銅メダルのAnna SCHAFFELHUBER(ドイツ)のコメント

銅メダルは予想してましたか?
「スラロームならまだしも、GSでは考えてなかったので、びっくりしたけど嬉しい」

メダルに向けて何かしましたか?
「BRAXENTHALERがたくさんのアドバイスをくれました」

あなたにとって、このメダルの意味は?
「いろんな意味があるけど、差しあたって今はソチに向けて練習を積んで、もっとたくさんのメダルをとることね」

19日スーパーG/日本人選手の成績

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女子座位で6位に終わった青木辰子

男子立位
9位 小池岳太(LW6/8-2)
15位 井上真司(LW6/8-2) 
途中棄権 三澤拓(LW2)

男子座位
1位 狩野亮(LW11)
3位 森井大輝(LW11)
5位 鈴木猛史(LW12-2)
18位 谷口彰(LW11)
21位 夏目堅司(LW11)

女子座位
6位 青木辰子(LW10‐2)
棄権 大日方邦子(LW12‐2)

(取材・文/瀬長あすか、加々美美彩、撮影/ナカハル)