【バンクーバーパラリンピック】バイアスロン、海外勢と実力の差を実感

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バイアスロンのレースを終えた太田と出来島/撮影:吉村もと

17日にウィスラー・パラリンピックパークで行われたバイアスロンで、女子12.5キロ立位の出来島桃子(LW6)が8位に、男子12.5キロ座位の久保恒造(LW11)が6位に、それぞれ入賞した。

「射撃ミス響く」、女子立位の出来島と太田

女子12.5キロ立位のレースを終えた出来島と太田渉子(LW8)は「一周目は気持ちよく走れましたが、ペースが速すぎた。心拍数が上がった状態で、射撃に入ってしまった。ペース配分のミス。射撃で4発外し、走りでカバーできなかった」(太田)、「射撃で2発外してしまった。パラリンピックはW杯と違って人も多い。練習通りやろうと心がけた」(出来島)とそれぞれ敗因を語った。

男子座位、ロシア勢が表彰台を独占!

男子座位は、表彰台をロシア勢が独占。日本の若きエース久保は6位、パラリンピック4大会連続出場のベテラン長田弘幸(LW10)は19位だった。

バイアスロンに照準を合わせてきた久保は、
「なんとか食い込みたい思いでレースをしたが、結果は悔しい。滑りはいつも通りだったが、射撃は最後のひとつをミスする悪い癖が出てしまった。(トップとの差について)走力だけでは太刀打ちできないので、射撃で2発は貯金が欲しい。自分も走力アップしているが、まわりもアップしていることが改めてわかった大会だった」と振り返った。
また、表彰台に上がるロシア選手を横目に「今回、心の底から勝ちたいと思った」と力強く話した。

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バイアスロン座位は、ロシアが表彰台を独占した/撮影:吉村もと

金メダルを獲ったIrek ZARIPOVは、ロシアの強さについて「練習だけに専念できる環境が整っているからね。強い国、強い選手陣、それがこの結果だよ」と語った。また、2位のVladimir KISELEVは「家に帰ったら、親戚一同と友達をみんな呼んで、テーブルいっぱいのウォッカとビールで乾杯だね」と話し、3位のRoman PETUSHKOVは、「昨日みんなに、明日は表彰台を独占するよって言ったんだ。みんなは笑ったけど、ほら、正しかっただろ?」と全選手のみなぎる自信と、チームの強さへの信頼感をあらわにした。これによりロシアは今大会の総メダル獲得数が23個に。2位ドイツの12個を倍近く引き離す強さを見せている。

力出し合った久保と長田〜男子/座位〜

車いすマラソンの選手だった久保は、長田に誘われてスキーを始めた。

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「長田選手と一緒にレースができてよかった」と話した久保/撮影:吉村もと

パラリンピック4回出場のベテランで、第一人者。「競技人口が少ないので、自分がやめたらシットスキーをやる人がいなくなるとおもっていた」と長田は言う。そんなときに久保が現れ、世界で戦える選手に急成長した。一緒に練習してきた久保には「教わることも多く、刺激をもらった」。

当初、バイアスロンのロングに出場の予定はなかったが、監督に頼み込んでエントリーした。「僕の分、久保君ががんばってきているので一緒にレースがしたかった」と長田が言えば、「長田選手はバイアスロンではおそらく今回が最後の国際大会。お互いに力を出し合いましょうと約束した」と久保。レース中、すれ違うたびに「がんば!」と声をかけ合った。「レース後に美味しいコーヒーを飲みましょうと約束したんです」(久保)。ふたりは健闘を称えあった。

「力不足」、男子立位の佐藤

また、男子12.5キロ立位に出場した佐藤圭一(LW8)は14位に終わった。

レース後、佐藤は「実力不足。言いわけはしない。パラリンピックで結果を残してこそ、強い選手。フリーにかけてこの1年やってきたので、この悔しさはリレーにぶつけたい」と話した。

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立位カテゴリーで金メダルを獲得したノルウェーのNils-Erik ULSET/撮影:吉村もと

金メダルのNils-Erik ULSET(ノルウェー)は今大会で自身3個目のメダル(前の2つは銀)ながらも、「奇跡だね。奇跡としか言いようがないよ。夢見てるみたいだ」と大喜びした。報道陣にこれまで獲得したメダルをどこに保管しているか尋ねられ、「いつもは次のレースに集中するためにすぐにしまうけど、今日のはしばらくナイトスタンドの引き出しに入れておくよ」とコメント。まだ26歳。若きチャンピオンは嬉しそうだった。

【日本人選手・成績】

<女子12.5キロ立位>
 8位 出来島桃子(LW6)
11位 太田渉子(LW8)

<男子12.5キロ座位>
 6位 久保恒造(LW11)
19位 長田弘幸(LW10)

<男子12.5キロ立位>
14位 佐藤圭一(LW8)

(編集/加々美美彩、取材/瀬長あすか、撮影/吉村もと)