車いすカーリング — 2009/3/30 月曜日 at 13:24:07

信州チェアカーリングクラブ、バンクーバー・パラリンピックへ!

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スキップの中島がゲームを組み立てる
スキップの中島がゲームを組み立てる=2009年3月29日車椅子カーリング日本選手権

3月28日・29日、“チーム青森”の拠点、青森市スポーツ会館カーリングホールで、第5回日本車椅子カーリング選手権(日本カーリング協会主催)が行われた。全国6チームのチェアカーラーが、2010年バンクーバーパラリンピック日本代表の座を賭けて緊迫したゲームを繰り広げた。

国内で唯一国際経験がある“信州チェアカーリングクラブ”

過去4年間、日本一に座る信州チェアカーリングクラブ(長野)は、国際大会を4度経験している国内屈指の強豪。シーズン中は、週に2回程、軽井沢や御代田(長野県北佐久郡)のコートで練習するほか、健常者のオープン大会、長野県内で開催されているリーグ戦などに出場して力をつけてきた。

大会は、総当りのリーグ戦で行われ、信州チェアカーリングクラブが、冷静な判断力、確実なショット、豊富な実戦経験で他チームを圧倒し、大会5連覇を達成。バンクーバーパラリンピックの日本代表チーム内定(※)を、全勝優勝で勝ちとった。

2日間で5ゲームをこなすハードスケジュールだったが、実戦経験で他者に勝る4選手の集中力は見事だった。有利な展開のなか、相手チームにナイスショットを決められても、残り一投を確実に決める。進路を阻むストーンの隙間を狙って巧みにストーンを滑り込ませる。そんな鮮やかなショットが生まれる度に、相手チームからも拍手が送られた。 スキップの中島洋治選手は、チームの強さの秘密を「運かな?」と言って謙遜するが、世界の舞台で戦ってきた自信、そこで培ってきた冷静にゲームを組み立てていく力によるものだろう。

日本一の称号を手に、世界へ

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選手が動かないようにチームメイトが車椅子を固定、キューというスティックを使用してストーンをデリバリーする。写真はease埼玉チェアの選手

2004年にチーム結成を呼びかけた内田清司選手(日本チェアカーリング協会会長)も、チームの勝利を喜ぶ。トリノ大会でチェアカーリングが正式種目となってから、パラリンピック出場を第一目標に掲げてきたというから、感激もひとしおだ。「カーリングのルールさえ知らなかった当時から格段に上手くなった。男女、年齢、障害の有無に関わらず、参加できることがこの競技の魅力。そんなチェアカーリングを広く知ってもらうためにも、パラリンピック出場を目指してきた」という。

一部からは、日本の団体競技では数少ない、メダルを獲得できると期待が寄せられるカーリング競技。世界大会を見てきた関係者からは、世界との壁はないとの声もある。「出るからには入賞を狙う」と話す比田井隆選手の言葉も頼もしい。

しかし、チェアカーリングは、健常のカーリングチーム以上に競技環境は整っておらず、選手は仕事などで練習に打ち込める環境にない。バンクーバーのような遠隔地での大会は、移動によるコンディション調整が難しいとの問題もある。また、日本は2008年度の世界選手権に出場できなかったため、世界から遅れをとっているといえる。市川勝男選手は、「世界大会では、氷の状態を瞬時に見極め、作戦を組み立てることが大切。今年バンクーバーで行われているプレパラに出場していないのは、パラリンピック出場10ヵ国中日本チームだけでは……」と不安をのぞかせる。

バンクーバーパラリンピックまであと1年。氷上だけにとどまらない、選手たちの挑戦がはじまった。

(取材:瀬長あすか)

(※)日本は、2006年から2008年までの世界選手権累計ポイントによるランキングで10位となり、バンクーバーパラリンピック出場権(出場枠10ヵ国)を獲得。
今回の日本選手権は代表チームの選考会を兼ねており、優勝した信州チェアカーリングクラブが代表候補チームとなった。その他チームが優勝した場合、強化指定チームである信州チェアカーリングクラブと優勝チームがトライアルを行い、勝利したチームが日本代表候補になることになっていた。代表候補となった同チームは、日本パラリンピック委員会の承認を経て日本代表となる。
なお、チェアカーリング競技で日本がパラリンピックに出場するのはバンクーバー大会が初めて。

第5回日本車椅子カーリング選手権の結果は、以下の通り

優勝 信州チェアカーリングクラブ(長野県)

2位 北見車椅子カーリングクラブ(北海道)

3位 チーム山梨(山梨県)

4位 チェアカーリングクラブ キュー斗(北海道)

5位 ease埼玉チェア(埼玉県)

6位 青森チェアカーリングクラブ(青森県)

日本代表に内定した信州チェアカーリングクラブの顔ぶれ

中島洋治 スキップ
中島洋治 スキップ

市川勝男 サード
市川勝男 サード

比田井隆 セカンド ※2010年3月時点で75歳の最年長プレーヤー
比田井隆 セカンド
※2010年3月時点で75歳の最年長プレーヤー

斉藤あや子 リード ※北京パラリンピック アーチェリー日本代表
斉藤あや子 リード
※北京パラリンピック アーチェリー日本代表

内田清司 リザーブ
内田清司 リザーブ