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結団式では日本選手団に団旗が授与された。左から長妻昭厚生労働相、中森邦男団長、新田佳浩主将(クロスカントリースキー)、開会式で旗手を務める遠藤隆行選手(アイススレッジホッケー)撮影/吉村もと
「メダルをめざしてきました。しかし、メダルをとれると約束はできません。パラリンピックスポーツは高度化してきたからです」
バンクーバー・パラリンピックに出場する日本選手団の結団式と壮行会が16日、ホテル日航東京で開かれ、クロスカントリースキーの新田佳浩主将が決意表明を行った。
日本代表の誇りを胸に、飛躍したい。その誓いには、支えてくれる家族と友人、ともに戦うチームメート、そしてスポンサーへの感謝があった。
競技に専念できる環境が、高いパフォーマンスを生み出す
昨今、障害者スポーツはプロ化が進んでいる。メダルを期待されるトップ選手の多くは、競技に専念できる環境にある。待遇は様々、チーム競技と個人競技では異なるが、シーズンを海外で過ごしたり、トレーニングに集中できる環境に身を置く。片手間で練習し、メダルをとれるほど甘くないのが、パラリンピックの世界だ。
そんななか、4年に1度の大舞台、パラリンピックを目前に、仕事に追われる選手も少なくない。長びく経済不況下で、オリンピック選手でも企業の支援を受けることは難しい時代。マイナー競技である障害者スポーツとなると、なおさらスポンサー探しは厳しい。競技を続けるため地道に働かなくてはならない選手たちは、万全のコンディションで大会を迎えることが難しくなる。
それでも、選手たちはメダルを目指す。実績は評価されると信じているからだ。バンクーバーの成績は、次の4年をどんな環境で過ごすかをも決める。「メダルをとれればこの競技を知ってもらえる」と、競技の普及につなげたい想いもある。
選手を取り巻く環境はまちまちだ。4年前のトリノ大会で日本は9個のメダルを獲得。バンクーバーパラリンピック代表42選手は、それぞれ結果を求めてバンクーバー大会に挑む。
壮行会には鳩山首相も。いよいよパラリンピックだ
結団式では、日本代表全選手の名前が読み上げられた後、団旗の授与へ。長妻昭厚生労働相から中森邦男団長に手渡された団旗は、旗手を務めるアイススレッジホッケーの遠藤隆行選手へと渡った。
壮行会には鳩山由紀夫首相も駆け付けた。すべての出場選手の体力と精神力を称えた後、壇上から、主将の新田選手、長野とトリノ大会で金メダルをとったベテラン大日方邦子選手(アルペンスキー)、最年長75歳で初出場する比田井隆選手(チェアカーリング)の名前を挙げて、それぞれを激励した。
この日、オリンピックが開かれているバンクーバーからは、スピードスケートの中島圭一郎選手、加藤条治選手がメダルを獲得した朗報が届けられた。
懇談中の選手に話を聞くと、オリンピック選手の活躍に「弾みがつく」と話す者もいた。
日本が初出場する車いすカーリングのスキップ、中島洋治選手はテレビ中継されていたオリンピックの開会式をいつもとは違う想いで見たという。
「もうすぐ自分があの場に立つんだな」
間近に迫るパラリンピックに向けて静かに気持ちを高めているようだ。
3月12日から10日間に渡って開催されるバンクーバー・パラリンピックには、40を超える国と地域から約600人の選手が参加する。
障害者アスリートたちがどんな戦いを繰り広げるか。オリンピック閉会後に始まるパラリンピックにも注目だ。
第10回冬季パラリンピック
【正式名称】バンクーバー2010パラリンピック冬季競技大会
Vancouver 2010 Paralympic Winter Games
【運営主体】国際パラリンピック委員会(IPC)、バンクーバー2010オリンピック・パラリンピック組織委員会(VANOC)
【開催期間】2010年3月12日〜3月21日
【開催地】カナダ・バンクーバー(アイススポーツ)、ウィスラー(スキー)
【日本選手団】人数 95名 (選手42名、役員53名)※2010年2月12日現在
【実施競技】
アルペンスキー(滑降、スーパー大回転、大回転、回転、スーパーコンバインド)
クロスカントリースキー(5km、10km、15km、20km、リレー、1kmスプリント)
バイアスロン(10km、12.5km、追い抜き)
アイススレッジホッケー(8ヵ国)
車いすカーリング(10ヵ国)
(取材・文/瀬長あすか 撮影/吉村もと)