パリ2024パラリンピックは現地時間の28日に開幕した。9月8日までの12日間にわたり、22競技549種目が実施され、難民選手団を含む史上最多の167の国・地域から約4,400人が参加する。オリンピックと同様に、パリの名所や歴史的建造物が競技の舞台となる。
開会式は史上初めて競技場の外で行われ、各国の選手団はパリ中心部のシャンゼリゼ通りからコンコルド広場まで行進した。コンコルド広場には石造の記念碑「オリベスク」を中心にステージが組まれ、車いすに乗ったダンサーらがパフォーマンスを披露した。そして、各国の選手団が入場すると、満員の観客席から大きな声援が送られ、日本代表選手団は旗手の陸上・石山大輝（順天堂大院）と水泳・西田杏（シロ）に率いられ、笑顔で行進した。
日本選手団は、アテネ2004パラリンピックの163人を上回る175人で、海外開催のパラリンピックで史上最多となる。22競技中、シッティングバレーボールを除く21競技に参加する。「挑め、自分史上最強。」のスローガンのもと、チーム一丸となって最高峰の戦いに臨む。
開会に先立ち、選手らは日本パラリンピック委員会を通してコメントを発表。今大会の車いすテニスの会場であるスタッド・ローラン・ギャロスで行われる全仏オープンで連覇を果たし、パラリンピック初制覇が期待される18歳の小田凱人（東海理化）は、「運命が描いた台本をこなします」と力強くコメントした。
また、東京大会の初代王者で2連覇を目指すパラバドミントンの梶原大暉（ダイハツ）は「東京パラ後から3年間準備してきたものを全て出し切り、見ていただいた方の心を動かせるようなプレーをします」、女子車いすバスケットボールのキャプテン・北田千尋（LINEヤフー）は「コロナ禍を乗り切り、有観客のパラリンピックに参加できることに感謝し、一生に一度のチームで心を込めて、一試合一試合戦います」と、意気込みを語った。
（取材・文／荒木美晴、撮影／植原義晴）
