パリ2024パラリンピック — 2024/9/7 土曜日 at 14:19:51

【パリ2024】上地が悲願の金メダル、柔道の瀬戸、廣瀬も初の金!

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最後まで高い集中力を維持し、自分のテニスを貫き頂点に立った上地=スタッド・ローラン・ギャロス(撮影/植原義晴)

パリ2024パラリンピックは6日、スタッド・ローラン・ギャロスで車いすテニスの女子シングルス決勝が行われ、第2シードの上地結衣(三井住友銀行)が第1シードのディーデ・ デ フロート(オランダ)に4-6、6-3、6-4で逆転勝ちし、悲願の金メダルを獲得した。上地は5日に行われた女子ダブルスでも優勝しており、日本車いすテニス界初の単複二冠を達成した。

第1セットは上地のブレークから始まり、3ゲーム連続で奪取。第5ゲームもブレークに成功して4-1とリードを広げるが、そこからデ フロートが巻き返し、セットを失ってしまう。第2セットは互いにブレークし合う展開となるなか、第8ゲームでジュースに追いついたあと、相手の虚をつくドロップショットを果敢に繰り出すなどして、キープに成功。その後はデ フロートのダブルフォルトが重なったこともあり、このセットを取り切った。

ファイナルセットはデ フロートが高さのあるボールでラリーに誘い、チャンスが巡ってきたら強打という展開に持ち込むが、上地はしっかりと対応。デ フロートのショットがアウトになるなどミスが出はじめた第8ゲーム、上地は集中力を高めてリターンエースを3度決め、流れを手繰り寄せた。5-4で迎えた第10ゲーム、再び上地の精度の高いサービスリターンが決まり、最後はデ フロートのダブルフォルトで2時間7分の激闘が決着した。

デ フロートは東京大会で単複2冠を達成し、その後も圧倒的な強さでまさに“女王”に君臨。上地もこの3年、その東京大会やグランドスラムを含めて連敗を喫するなか、勝利の糸口を掴もうと、車いすを新車にしたり、練習環境を変えるなどしてきた。7月にはサーフェスこそ違うものの、グラスコートのブリティッシュオープンで3年4か月ぶりにデ フロートに土をつけた。一途な想いと努力でたどり着いた最高峰の舞台の頂点。上地は「やっと取れた。やっと来られたこの場所。諦めずにやってきてよかったし、信じて支えてくれた人たちにも感謝の気持ちを伝えたい」と涙ながらに語った。

また、男子ダブルス決勝は小田凱人(東海理化)/三木拓也(トヨタ自動車)組がゴードン・リード/アルフィー・ヒューエット組(イギリス)に2-6、1-6で敗れ、銀メダルだった。

※後日、車いすテニス女子決勝の関連レポートを公開します!

東京大会後のルール改正で階級を変更して臨んだパリ大会。瀬戸が悲願の金メダルを獲得した(写真は準々決勝)

シャンド・マルスアリーナでは柔道の競技2日目が行われ、男子73㎏級(J2)の瀬戸勇次郎(九星飲料工業)が決勝でジョージアの選手に背負投げと出足払いで技ありを決め、一本勝ち。金メダルに輝いた。また、女子57㎏級(J2)決勝では、廣瀬順子(SMBC日興証券)がウズベキスタンの選手に体落としで一本勝ちし、初の金メダルを手にした。女子70㎏級(J2)では、小川和紗(伊藤忠丸紅鉄鋼)が銅メダルを獲得した。

ラ・デファンス・アリーナでは水泳の男子100mバタフライ(S11)決勝が行われ、木村敬一(東京ガス)が1分00秒90のパラリンピックレコードで制した。富田宇宙(EYストラテジー・アンド・コンサルティング)は3位に入った。スタッド・ド・フランスで行われた陸上の男子100m(T52)決勝に出場した佐藤友祈(モリサワ)は17秒44で銅メダルを獲得した。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)