パリ2024パラリンピックは29日、競技1日目を迎え、水泳やバドミントン、自転車、車いすラグビーなどで競技が始まった。
パリ・ラ・デファンス・アリーナで行われた水泳では、東京大会の出場5種目すべてでメダルを獲得している鈴木孝幸(ゴールドウイン)が男子50m平泳ぎ(SB3)に出場し、48秒04の自己ベストをマーク。日本勢の第1号となる金メダルを獲得した。
アミアンで行った事前合宿時から入水後の浮き上がりに好感触を得ていたという鈴木。予選がない一発勝負の決勝でも好スタートを決め、序盤からトップに躍り出るとぐんぐんとスピードに乗り、2位以下を大きく引き離してフィニッシュした。
タイムは出場選手のなかでただひとり、48秒台をマーク。コーチの指摘で1カ月半前から「右手のかきを内側からスタートするようにした」ことで、左右差のある上半身のバランスがうまくとれるようになり、より効果的にキックを使って推進力が生まれたと分析する。
この種目の自己ベストは、2008年の北京パラリンピックの予選で記録した48秒49(当時の世界新記録)。それを37歳となった今、16年越しに更新。日本代表選手団のスローガン「挑め、自分史上最強。」をまさに体現した。
「16年間いろんなことをやってきたことがようやく報われて、こういう結果を得られて、すごく嬉しい」と笑顔を見せた鈴木。今大会はほかに自由形3種目(S4)にエントリーしており、東京大会に続く複数メダル獲得に期待がかかる。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)