パリ2024パラリンピック — 2024/8/31 土曜日 at 9:03:32

【パリ2024】長島・松本組が格上連続撃破の快進撃で準決勝進出!

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世界の強豪ペアを続けて撃破し、存在感を見せた長島(右)と松本=ポルト・ド・ラ・シャペルアリーナ(撮影/植原義晴)

パリ2024パラリンピックは30日、競技2日目を迎えた。パラバドミントンの男子ダブルス(車いすWH1-WH2)は予選リーグが行われ、長島理(LIXIL)・松本卓巳(創政建設)組が世界ランキング2位の崔正晩・金正俊組(韓国)を21-13、21-19のストレートで下した。

長島・松本組はパリ大会の出場が決まってから急遽、ダブルスを組むことになった“”急造ペア“ながら、初戦で世界ランキング6位のフランスペアにフルゲームで逆転勝利しており、これで格上を相手に2連勝。予選リーグの1試合を残して、準決勝進出を確実にした。

長島はここまでの戦いを振り返り、「ふたりでとにかく楽しくやろうと話をしていた。ペアリングはまだ完成していないけれど、急造ペアの良さを活かして戦っていきたい」と話した。また、長島とパラ出場権を争い、パラリンピック前までダブルスで松本とペアを組んでいた西村啓太も会場でふたりの試合を見守っており、「おめでとう、と言ってもらった」と松本。「準決勝に勝ち、どうしても西村選手にメダルをかけてあげたい。それはみんな同じ気持ちだと思う」と、同じ釜の飯を食ってきた盟友への想いを口にしていた。なお、日本の村山浩(SMBCグリーンサービス)・梶原大暉(ダイハツ工業)組も準決勝進出を決めている。

ミックスダブルスで予選敗退となったものの、存在感を示した伊藤(右)・今井組

ミックスダブルス(SL3-SU5)に日本から唯一出場している伊藤則子(中日新聞社)・今井大湧(ダイハツ工業)組は、予選の最終戦に臨み、タイのペアを相手に21-18、18-21、19-21で敗れた。決勝トーナメント進出を目指したが、予選で勝ち星を挙げることができず、パリへの挑戦は幕を閉じた。

東京大会以降にペアを組み始めたふたり。下肢障害の伊藤が前衛の1点を守り、上肢障害の今井が他のエリアをカバーする戦い方を追求し、独自の陣形で世界のライバルたちと対峙してきた。この最終戦でも、今井の機動力と伊藤の1点を死守する守備力で相手を追い込んだ。今井は「組み始めたころは試行錯誤してうまくいかないこともあったけれど、この大会では互いの成長が感じられた。集大成として、やりたいことをこの舞台でできたことを本当に幸せに思う」と言い切った。また、伊藤も「パリでは自分たちの役割をまっとうできたと思う」と、声を詰まらせながら振り返った。

ふたりの勝利への執念は、日本から駆けつけた応援団のみならず、地元フランスの観客にも届き、試合中は観客席から日本語とフランス語と英語で声援が飛んでいた。今井と伊藤は「応援してくれて、本当に楽しくプレーできた」と声をそろえ、最後は充実した表情を見せていた。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)