車いすカーリング — 2018/5/28 月曜日 at 0:58:50

混戦の日本選手権は、チーム長野が制す!

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パラ出場経験もあるリードの斉藤あや子ら経験豊富な選手がそろい、優勝したチーム長野=新潟アサヒアレックスアイスアリーナ(撮影/荒木美晴)

「第14回日本車いすカーリング選手権大会」が25日~27日の3日間にわたって、新潟アサヒアレックスアイスアリーナで行われた。

全国のブロック予選を勝ち抜いた6チーム(本州ブロック:チーム長野・青森チェア・ease埼玉、北海道ブロック:北見フリーグス・札幌ブレイブス・まつもと薬局CC)が参加。総当たりの予選ラウンドロビンの結果、北見フリーグス、チーム長野、青森チェアが決勝トーナメントに進出した。

熱戦を繰り広げた各チーム。来年は青森県で開催予定!

27日はまず、準決勝が行われ、チーム長野が青森チェアに5対4で勝利。勝者のチーム長野は、3連覇を狙う予選1位通過の北見フリーグスとの決勝戦に臨み、8対5で接戦を制した。長野の優勝は2013年以来、5年ぶり。

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カーリングのルールと特徴

下肢に障がいがある選手による車いすカーリングは、世界カーリング連盟(WCF)の規則を一部変更して行われる。1チームは4人で男女混合チーム(女子選手を必ず入れないといけない)、1試合8エンド、ストーンのリリースは助走せず、手またはデリバリースティックを用いて行う、氷をブラシでこするスウィーピングは行わないなどの競技特徴がある。

スウィープをしないため、時間とともに変化する氷の状態を読み、狙った場所に正確に置きに行く「一投」の高い技術が求められる。そのため、選手はそれぞれ用具などに工夫を凝らしている。

松橋のデリバリー。体力強化のため続けている水泳は、かつて国体で金メダル2個を獲得したことも

たとえば、青森チェアのサード松橋春雄が使用するデリバリースティックは、他の選手の1.5倍ほど長い。最大3mほどまで伸びるというが、最大の利点はスキップがハウスから出す指示に対して、投球ラインを合わせやすいことだという。ストーンを押し出す角度や力とのバランスが難しくなるが、70歳の松橋は8エンド通して安定した投球をするため、普段は鉄素材のスティックを用いて練習を行っているといい、今大会も初戦から準決勝まできらりと光るプレーを見せていた。

また、切断や脊髄損傷の選手が多いなか、まつもと薬局CCのスキップ加納久志は数少ない頸椎損傷の選手。両手とも握力がゼロであるため、デリバリースティックは手とマジックテープで固定して使用しているそうだ。スピードのある投球でテイクを取ることは簡単ではないものの、加納はチームの司令塔として戦略を組み立て指示を出す重要な役割を担っており、予選で3勝と気を吐いた。カーリングが盛んな北海道内でも、頸椎損傷の選手は3人ほどしかいないといい、加納は「障がいの程度によるクラス分けがないのでフィジカル的には不利かもしれないけれど、負けたくないという強い気持ちで戦っています」と話してくれた。

(取材・文・撮影/荒木美晴)