アイススレッジホッケー世界選手権は1日に大会最終日を迎えた。決勝戦は、アメリカが韓国に5‐1で勝利し、連覇を飾った。三位決定戦は、元世界王者のカナダが、初めてベスト4入りを果たしたチェコを2‐0で下し、3位の座を死守した。
<決勝>アメリカ 5-1 韓国
ついに迎えた大会最終日。注目が集まる決勝は、両チームの攻守が激しく入れ替わる展開から始まった。
第1ピリオド、先制点を挙げたのはアメリカ。試合開始から3分、Alexi Salomone(FW)が右サイドから持ち込んでシュート。これを一度は韓国のGKが抑えたに見えたが、パックは手元からするりとこぼれ、それをJosh Pauls(DF)がしぶとく押し込んだ。
第2ピリオドに入ると、アメリカペースに。Tyler Lipsett(FW)が、韓国のペナルティによるパワープレーの場面での得点を含め、2得点。対する韓国もパワープレーのチャンスに強烈なシュートを放つが、ゴールポストに弾かれノーゴール。
その後はアメリカがさらに1点を追加し、4-0で最終ピリオドへ突入した。
なんとか1点を返したい韓国は、第3ピリオド開始早々の1分34秒、アメリカゴール前でパスをつないで得点。だが、そのわずか17秒後、アメリカがゴール裏からパックを持ち込み、ダメ押しの5点目を入れて試合を決めた。
優勝したアメリカは、予選では格下のチェコとエストニアにシュートアウトまで持ち込まれるなど苦戦したが、準決勝のカナダ戦ではきっちりと修正。この決勝も、現世界王者らしいスピードと攻守のバランスの良さが光った。また、初めてAプールの大会でベスト4以上に進み、決勝まで上がってきた韓国は、スピードのあるSeung hwan jung(FW)を中心に組織力の高さを見せ、存在感を放った。
<三位決定戦>カナダ 2ー0 チェコ
第1ピリオド、序盤にチェコがペナルティを犯し、カナダのパワープレーのチャンスでGreg Westlake(FW)が先制点。
第2ピリオドにも、カナダがゴール前で細かくパスをつなぎ、このピリオドから出場したチェコの身長190センチを超える大型ゴーリーVapenka Michalとディフェンスを左右に揺さぶり、Bradley Bowden(FW)が空いたスペースからシュートを叩きこんだ。
一矢報いたいチェコは、第3ピリオド序盤に猛攻撃を開始。リンクを広く使い、積極的にパックを中に放り込みチャンスメイク。だが、放ったシュートはいずれもゴールの外。待望の得点はならなかった。
勝利したカナダは、自分たちのリズムではないながらも、3位を死守した。今大会を見る限り、チェコやイタリアのような、パワーだけではなくリンクを広く使って攻めるヨーロッパスタイルのチームとは対戦経験も少なく、攻めあぐねる時間が多かった印象だが、“ホッケー王国”の名にかけてソチに向けてきっちりと修正してくるだろう。
●1日試合結果●
<決勝>
アメリカ2-2-1=5
韓国0-0-1=1
<3位決定戦>
カナダ1-1-0=2
チェコ0-0-0=0
●最終順位●
1位 アメリカ
2位 韓国
3位 カナダ
4位 チェコ
5位 ノルウェー
6位 イタリア
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7位 日本
8位 エストニア
※7・8位は来期はBプール降格
■アイススレッジホッケー世界選手権大会総括レポートは、後日公開する予定です。
(取材・文/荒木美晴、撮影/吉村もと)