「杭州2022アジアパラ競技大会」の開会式が22日、杭州オリンピックスポーツセンタースタジアムで行われ、4年に一度のアジアのパラスポーツの祭典が幕を開けた。
2022年の開催が予定されていたが、先に行われたアジア大会同様に新型コロナウイルスの影響で1年の延期を経ての開催となる。44カ国・地域から選手約3,000人が参加し、22競技でメダルを競う。日本はチェスと囲碁を除く20競技に選手259人を派遣する。
日本代表選手団は、シッティングバレーボール女子の旗手の波田みか(十文字学園女子大)を先頭に12番目に入場。選手・スタッフら総勢57名が力強く行進した。
日本パラリンピック委員会は選手のコメントを発表。東京2020パラリンピック金メダリストの自転車の杉浦佳子(総合メディカル)は「短期間で5種目のレースに出場するので、ひとつひとつ集中力を切らさず走りたい」、前回のジャカルタ大会で優勝を果たしたゴールボール女子の高橋利恵子(関彰商事)は「これまで取り組んできたトレーニングの成果を発揮し、チーム一丸となって戦ってきます」と意気込みを語った。
車いすテニスの男女優勝者には、来年のパリ2024パラリンピックの出場権が与えられる。男子の世界ランキング1位の小田凱人(東海理化)は「パリ大会への切符がかかった重要な大会になるので全力を尽くして頑張ります」、また女子世界ランキング2位の上地結衣(三井住友銀行)は「今年の集大成と来年へ向けた挑戦として今の自分の最高のパフォーマンスを発揮したいと思います」と、コメントした。
また、開会式に先立ち、車いすバスケットボールやバドミントン、ローンボウルズなど一部競技の予選リーグがスタートしている。21日はボッチャのBC1女子個人戦で藤井友里子(アイザック)やBC4男子個人戦で江崎駿(トランコム)らが勝利。パリ2024パラリンピックの出場権がかかる卓球も22日に初日を迎え、日本代表選手団の主将を務める岩渕幸洋(協和キリン)は初戦でイランの選手に3-1で勝利。「会場の雰囲気などを確かめながら試合し、しっかりと勝てたので良かった。何としても最後まで勝ち切って、パリの出場権を獲りたい」と、力強く語った。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)