車いすカーリング — 2021/3/24 水曜日 at 20:59:28

北京パラ目指し、世界選手権に臨む日本代表が強化合宿で最終調整

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世界選手権Bに向けた強化合宿で最終調整に臨む日本代表の鈴木秀則ら=みちぎんドリームスタジアム

新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催が2度延期となっていた車いすカーリングの世界選手権Bが4月10日から15日まで、フィンランドで開催されることが発表された。その決定を受け、日本車いすカーリング協会は急遽、日本代表強化合宿の実施を決め、23日から青森県のみちぎんドリームスタジアムで最終調整に臨んでいる。合宿は27日まで行われる。

昨年11月の選考会の結果、鈴木秀則(北海道)、村松由里(山梨県)、松橋春雄(青森県)、斎藤あや子(長野県)、高橋宏美(北海道)が世界選手権Bの日本代表に選ばれている。今回の合宿は過去最長の5日間にわたり、地元青森のカーリングチームの協力を得て実戦練習を中心に実施。村松と新種目のミックスダブルス世界選手権日本代表に選出されている和智浩(山梨県)が練習パートナーとして、また平昌オリンピック男子カーリング日本代表の山口剛史氏が戦術面での特別アドバイザーとして参加しており、より高い意識をもって練習に取り組んでいる。

協会の協力依頼に応え合宿に参加した山口氏(右端)と、青森県庁カーリングクラブのみなさん

車いすカーリングは氷をブラシでこするスイープがなく、ストーンを狙った場所に正確に置く一投の高い技術力が求められる。

今回の合宿では、一日に複数試合をこなす世界選手権のスケジュールを想定し、練習試合を主に1日2回、計9回予定している。練習試合では相手の健常者のカーリングチームは通常通りスイープを行うルールを採用。ぺブルが削られ、氷の状態はどんどん変化していくため、スイープを行わない車いすの選手同士の試合より氷の読みが難しく、アイスリーディングの訓練になるという。日本車いすカーリング協会の浪岡正行強化委員長は、「スイープをする投球と同じくらい一投の正確性を求めたい。それができれば、戦術の幅がぐっと広がる」と話している。

なお、日本代表が北京2022パラリンピックに出場するためには、まずは10カ国が参加する世界選手権Bで3位以内に入り、次回の世界選手権(日程未定)の出場権を獲得したうえで、その世界選手権で上位12位以内(過去2大会との合計ポイント)に残っていることが条件となる。

(取材・文・撮影/荒木美晴)