車椅子ソフトボール — 2015/8/13 木曜日 at 12:14:07

車椅子ソフトボール・ワールドシリーズで日本が過去最高の6位入賞!

by
車椅子ソフトボール・ワールドシリーズ
本場アメリカの強豪を相手に過去最高成績をおさめ、笑顔の日本代表チーム/写真提供:日本車椅子ソフトボール協会

8月4日から3日間の日程で、アメリカ・ミシシッピ州ビロクシで車椅子ソフトボール・ワールドシリーズ2015が開催された。4年連続出場のTEAM JAPANは、国内において競技が盛んな北海道・東京・北九州の3地区から選手を選抜し、日本代表チームとして参加。アメリカの強豪を相手にディビジョンⅠ6位入賞という過去最高成績をおさめた。

同大会はダブルエリミネーショントーナメント方式(2回負けると下位決定トーナメントに落ちる)で行われ、全17チームが全米チャンピオンの座を争った。

車椅子ソフトボール・ワールドシリーズ
大事な場面でチャンスメークし、チームにリズムを引き寄せた篠田

TEAM JAPANは初戦で敗れたものの、その後の敗者復活トーナメントで勝利し、大会2日目の上位順位決定戦に駒を進めた。その順位決定戦の初戦で地元ミシシッピのDeep South Hurricanesに4対2で勝利してベスト8に進出したTEAM JAPANは、次の試合で昨年全米3位の強豪RIC Cubsと対戦。延長戦にもつれ込む激戦の末、5対6のサヨナラ負けを喫し、3日目の5位決定戦へとまわった。

5位決定戦の相手はLWSRA Hawks。昨年のワールドカップでも対戦し、大敗を喫した相手とあってリベンジをかけた戦いに臨んだが、力及ばず7対9で敗れた。この試合をもってTEAM JAPANの全日程が終了し、ディビジョンⅠ6位(全米6位)が決定した。過去最高順位がディビジョンⅡの5位(全米10位)であるTEAM JAPANにとって、過去最高成績をおさめた快挙であった。

課題の打撃面でも成長みせた日本

躍進の原動力となったのは、攻守にわたり活躍をみせた篠田匡世(埼玉A.S.ライオンズ)と、炎天下で6試合を一人で投げぬいた飛島大輔(北海道ノースランドウォリアーズ)だろう。

車椅子ソフトボール・ワールドシリーズ
冷静な投球でアウトを量産したエース飛島

飛島はコースを丁寧についた投球で打者の打球コースをコントロール。堅守のショート米田正人(北九州シルバーウィングス)や強肩の源貴晴(北海道ノースランドウォリアーズ)、堀江航(埼玉A.S.ライオンズ)ら外野陣の守備範囲に打たせるピッチングで、内・外野ゴロアウトを量産した。なかでもセンターレフトに入った篠田のスピードと強肩は本場アメリカの各チームから名前が挙がるほど、強烈な印象を世界に与えた。

世界と戦うために課題として挙げられていた打撃面でも、TEAM JAPANは成長を見せた。チームトップクラスのスピードと長打力を誇る源と篠田の2枚看板を1番・2番に固定。ふたりでチャンスを作り、堀江ら主軸が返す攻撃で得点を重ねた。

初めてTEAM JAPANに召集された新戦力の活躍も目立った。19歳で代表入りしたチーム最年少の森宏明(東京レジェンドフェローズ)は全試合4番に座って主軸の役割を務め、守備でもファーストとして安定したプレーをみせた。また、青柳政文(北海道ノースランドウォリアーズ)も競技歴は1年弱と短いが、勝負強い打撃で下位打線からチャンスを作り、ポイントゲッターの源、篠田に繋ぐ役割を見事に果たした。

過去3大会ではアメリカチームのパワーに屈し、コールド負けを喫することが多く、“ゲスト扱い”だったTEAM JAPAN。だが今大会は、RedsやCubsといった強豪チームと互角の戦いを演じ、上位入賞を果たしたことで、本場アメリカでその成長と実力を証明することができた。

日本国内において競技人口が増加している車椅子ソフトボール界。今大会での躍進は、今後の競技普及にとってプラスの材料になることは間違いないだろう。

(情報・写真提供/日本車椅子ソフトボール協会)