【東京2020】車いすバスケ女子はカナダに敗れるも、気づきの多い試合に

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カナダ戦はオフェンスのスタイルを再考する良い機会となった=有明アリーナ(撮影/佐山篤)

〈東京パラリンピック〉車いすバスケットボール/女子予選グループA/日本35―61 カナダ(8月27日、有明アリーナ)

第1戦オーストラリア、第2戦イギリスに2連勝した車いすバスケットボール女子日本代表は、27日にカナダと対戦し、35―61で敗れて2勝1敗。この試合は落としてしまったが、10チームが2組に分かれて戦う予選リーグのうち、上位4チームずつが決勝トーナメントに進むため、日本は準々決勝進出をほぼ確実としている。

カナダの先制点で始まった試合は、序盤からカナダにリードを許し、日本は巻き返しを図るもなかなか得点につながらず苦戦を強いられた。試合を終えて共同キャプテン・藤井郁美(電通デジタル)は、「自分たちがやりたいトランジション(攻守の切り替え)を、逆にカナダにやられてしまった」と、終始圧倒された形となったこの試合を振り返った。

カナダはローポインターも含めて全体的にスピードが速く、味方をフリーにするためのピックもうまい。しかも1年前に大阪カップで対戦したときと比べて、ポイントゲッターが増えたことで得点が分散したうえ、ローポインターが献身的にハイポインターを活かす動きを40分間通してやり続けるタフさがアップしたという。

藤井が「決してすべてが悪いわけではなかった」というように、日本もいい攻撃の形をつくりゴール下までは何度も行きながらも、得点できないもどかしさを味わったが、ほぼ確実といわれている準々決勝以降の試合を勝ち進むためにも、いま見直すべき点を整理する良い機会になったともいえる。

予選リーグ最後の試合は29日、ドイツと対戦する。

(取材・文/山本千尋、撮影/佐山篤)