アルペンスキー — 2023/2/22 水曜日 at 23:22:23

【ジャパンパラ】男子立位は高橋が連勝!

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男子立位の髙橋は、初日に続いて優勝を果たした=菅平高原パインビークスキー場(撮影/植原義晴)

信州菅平高原パインビークスキー場で開かれている「FIS Para Alpine Skiing公認 2023ジャパンパラアルペンスキー競技大会」は22日、大会2日目の男女の回転が行われ、男子立位は高橋幸平(日体大)が初日に続いて優勝を果たした。

「お尻が落ちる癖」があり、今大会は腰を上げた滑りを意識したという高橋。初日のレースから徐々にタイムを上げ、この日の2本目は42秒台の好タイムをたたき出した。北京パラリンピック後は少しの休息を挟み、陸上での筋力トレーニングに精力的に取り組み、体重も増加。3月のワールドカップ最終戦に向けて、さらに調子を上げていくつもりだ。

2位に入った三澤拓(SMBC日興証券)は、北京パラリンピック後は国内合宿のサポートを行ったり、競技人口を増やすべく普及活動に取り組んだりと、新たな世界に軸足を移しつつある。ただ、「自分が滑ることで、片脚でもこれだけできると伝えたい」として、国内での選手活動については限定せず、レース出場も想定しているという。今大会も練習時間は少なかったものの、高橋に肉薄する滑りを見せ、「幸平やがっくん(小池岳太)に緊張感を持たせるレースをしたかった。これからもプレッシャーをかけ続けたい」と、第一人者としての矜持を示した。

今後の成長が楽しみな高校1年の塚原

男子座位の16歳の塚原心太郎(日本航空高校)は、昨年7月に将来性を買われて日本代表チームに選出された新星。すでにオーストリアの国際大会を経験しているが、国内レースは今大会がデビュー戦だった。初日はミスがあったが、この日は2本とも滑り切り、結果を残した。塚原は3歳の時に交通事故に遭い、脊髄を損傷して車いす生活に。小学3年でスキーを始め、遊びながら滑りを楽しむうちに興味が増し、ステップアップのきっかけにしたいと、昨年はJスタープロジェクトに挑戦した。夏場はスキーのためのトレーニングとして、もともとしていた車いすテニスやカヌーに取り組み、体幹を鍛えているそうだ。

同じ男子座位は、パラリンピックメダリストの森井大輝(トヨタ自動車)や鈴木猛史(カヤバ)らそうそうたる先輩がけん引しており、「合宿などで一緒に過ごすことで、滑りやメンタルを学ばせてもらっている。技術面もそれぞれが得意なところを吸収していきたい」と話す。また、昨年の国際大会で世界のトップ選手と一緒に滑ったことが刺激になり、「自分もパラリンピックでメダルを獲ることが一番の目標になった」と塚原。3年後のミラノ・コルティナダンペッツォ大会出場を見据え、強化に励んでいくつもりだ。

女子立位は、佐々木如美(大舘スキークラブ)が初日に続いて完走した。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)