馬術 — 2020/11/27 金曜日 at 20:11:01

東京パラの本番会場・馬事公苑で全日本開幕

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チームテスト後にフォトセッションに臨む稲葉=馬事公苑

人馬一体となって演技の正確性と芸術性を男女混合で競う馬場馬術競技「第4回全日本パラ馬術大会」が27日、東京2020パラリンピックの会場となる東京馬事公苑で開幕した。

障がいの内容や程度により、Ⅰ~Ⅴのグレード(クラス)に分かれて行う。27日に規定演技を行う「チームテスト」(本来は3人馬で構成される団体規定課目で、今大会は団体規定課目用の経路で個人規定課目として実施)、28日に「インディビジュアルテスト」、最終日の29日に各自で選んだ楽曲にあわせて演技を組み合わせていく「フリースタイルテスト」が実施される。

27日のチームテストでは、グレードⅠは鎮守美奈(明石乗馬協会/コカ・コーラボトラーズジャパンベネフィット)&ジアーナ号が得点率65.536、グレードⅡは宮路満英(リファイン・エクインアカデミー)&オロバス号が得点率64.242、グレードⅢは稲葉将(静岡乗馬クラブ/シンプレクス)&カサノバ号が得点率67.059で、グレードⅣは高嶋活士(ドレッサージュ・ステーブル・テルイ/コカ・コーラボトラーズジャパンベネフィット)&ケネディ号が得点率62.833、グレードⅤは石井直美(東京障害者乗馬協会/サンセイランディック)&デフュアステイネルスが得点率62.830でそれぞれ制した。

東京パラリンピック出場を狙うグレードⅢの稲葉は、2頭でエントリー。最初に出場した「ピエノ号」とのペアは、緊張から序盤で経路を間違えるミスがあったが、得点率63.667と上位につけた。続いて「カサノバ号」との演技は終始、安定したパフォーマンスを見せ、この日の出場人馬中、最高得点率をマークした。東京パラリンピックに向けてはこの「カサノバ号」と調整を進めていく予定だと話す稲葉。馬事公苑での演技は初めてで、馬場の感触は「砂が良質でグリップ力がある」と語り、「本番会場でいいイメージで臨めてよかった」と、29日の演技にも自信をのぞかせていた。

(取材・文/荒木美晴)