「IBSAブラインドサッカーワールドグランプリ2019」は20日、グループリーグ第2試合が行われ、日本がコロンビアを2-1で破り、1勝1分けとした。
先制したのはコロンビア。前半6分、日本がペナルティエリアで相手を倒し、与えたフリーキックからゴールを決められた。しかし、前半残り3分、相手ゴール前の混戦からキャプテンの川村怜がほぼ角度のない難しい場所から右足でシュートを放ち、同点に持ち込んだ。
そして後半残り3分、日本はコロンビアのコーナーキックを全員で阻止すると、コロンビアが味方同士で錯綜しリズムを失ったところで、すかさず川村がボールをキープ。左サイドから右サイドへと切り替え、縦へと切り込んだ。相手ディフェンスも食らいつくが、川村は2度、ボールを止めて音を消してそのマークを振り切りシュート。ボールはゴール左隅に吸い込まれた。
試合時間残り26秒で、日本の累積ファウルにより相手に第2PK(チームで累積されるファウルが6つを超えた場合に相手チームに与えられる。ゴールから8mの位置から蹴る)を与えるピンチを迎えたが守り切り、貴重な勝ち点「3」を手にした。
値千金の2得点目について川村は、「2回目にボールを止めた時に相手が完全に離れたのが分かった。狙い通り決められてよかった」と振り返る。昨年夏には、11日間にわたる南米遠征を実施し、世界ランク1位のブラジル、2位のアルゼンチンと強化試合を行った日本代表。強いフィジカルを誇るコロンビアも難敵だが、「僕たちはさらに上の強度を体験してきたので」と川村。グループリーグ最終戦となる21日のスペイン戦に向けて、「明日負けると今日勝った意味がない。チームひとつになって、全力を尽くす」と力強く語った。
(取材・文・撮影/荒木美晴)