「2019IBSAゴールボールアジアパシフィック選手権大会」が5日、千葉ポートアリーナで開幕した。来年の東京2020パラリンピックのアジア・パシフィック地域予選会を兼ねており、優勝国が出場権を獲得できる。男子は7カ国、女子は6カ国がエントリーし、予選リーグを総当たりで戦い、それぞれ上位4チームが決勝トーナメントに進出できる。
日本代表は、男女ともすでに開催国枠での出場権を得ている。日本ゴールボール協会は今大会の選手のパフォーマンスをチェックし、大会後に男女とも東京パラの代表内定者3~4名を選考する方針。選手にとってはチームの勝利だけでなく、自身のパフォーマンスを最大限発揮し、アピールする場でもある重要な大会だ。
大会初日の5日は、女子日本代表がインドネシアに10-0にコールド勝ち、タイに3-2で勝利し、幸先の良いスタートを切った。初戦のインドネシア戦ではセンター高橋利恵子、ライト萩原紀佳、レフト若杉遥が先発出場。試合開始から17秒後に萩原が先制点を挙げると、日本はコンスタントに得点。若杉は5連続得点を含む7得点をマークする活躍を見せた。
タイ戦は、1試合目でベンチだったウイングの小宮正江と欠端瑛子が先発に起用され、小宮が先制点を決めた。その後、相手の力強い投球に守備を乱され苦戦を強いられるが、試合時間残り2分半で若杉が得点を決め、逃げ切った。試合後、若杉は「全勝優勝が目標。初日に2試合勝ち切れたのは次につながる」と話した。
また、男子日本代表は強敵韓国に8-2で勝利し、こちらも白星発進。前半を2-1で折り返した日本は後半、韓国のハイボールの反則で山口凌河がペナルティースローをしっかり決めて3-1とリードを広げる。その後も山口の連続ゴールや、身長182㎝の宮食行次の力強い回転投げなどで得点を重ね、粘る韓国を突き放した。
世界ランキングでは日本が12位、韓国が17位。昨年のアジアパラ競技大会の3位決定戦で日本は韓国に敗れている。その後の対戦でも黒星を喫しているだけに、江黒直樹ヘッドコーチによると、今大会の対戦カードが決まってから韓国のことだけを考えて練習してきたといい、「うまく試合に入れてよかった」とホッとした表情を見せていた。
(取材・文/荒木美晴)