女子の4カ国対抗戦「シッティングバレーボールチャレンジマッチ2019」は26日、最終日を迎え、3位決定戦に臨んだ日本はカナダに1-3で敗れた。決勝は中国がイタリアをストレートで破り、優勝を果たした。
日本はカナダと開幕戦でも対戦し、0-3で敗れている。その試合で課題となった相手の3枚攻撃を警戒しつつ、表彰台を目指して挑んだ。だが第1セット、いきなり10連続失点と精彩を欠くスタートに。第2セットは菊池智子や金木絵美のサービスエースなどで14-12とリードするも、攻撃の展開を読まれて9連続失点。一気に逆転を許してしまう。続く第3セットは、相手のブロックの後ろに落とすアタックや、強化してきたサーブで相手を崩して主導権を握り、1セットを取り返した。第4セットは気迫あふれるプレーで魅せるが、終盤、17-18とリードを許してからはラリーを取り切れず、試合を落とした。
予選リーグを含めて4戦全敗で大会を終えた日本代表。開催国ながら雰囲気にのまれてしまい、序盤で失速したことが最後まで響いた。体格に勝る海外勢に対抗する組織力が早い段階で発揮できていれば、展開は変わっていたかもしれないが、ライバルの、とくに世界ランク2位の中国の緻密な戦略とそれを体現するフィジカルの強さは際立っており、世界との差は明確だった。
だが、日本代表は現在、チーム改革中の真っ最中だ。1年半前からはシッティングバレーには欠かせない柔らかく強靭な肩甲骨と安定した骨盤を作るためのトレーニングをスタートしており、強化を続けているサーブも日本の強みになりつつある。真野嘉久監督は、「タイプの違う3カ国と対戦でき、本当に貴重な経験になった」と振り返り、「今日は1セットを取ることができた。それだけでは意味がないが、ここを通過しないと次はないので。これからも、中国のようにボールを思い通りにコントロールする身体を身につけていく」と話した。また、キャプテンの西家道代も、「今日の結果は次につながる。これを、1試合勝ち切るまで積み重ねていかなくてはいけない。私たちは身長が低いけれど、チビなりに頑張るしかない」と語り、来年に迫ったパラリンピックに向け視線を向けていた。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)