池山優花が連覇、友野有理らも優勝! 全日本パラ卓球で熱戦

車いす女子シングルスのクラス3で連覇を達成した池山=ひがしんアリーナ(撮影/植原義晴)

「第18回全日本パラ卓球選手権大会」の男女シングルスが9月7日、ひがしんアリーナ(墨田区総合体育館)で行われた。肢体の部の各クラスで日本一を決める国内最高峰の大会に、全国からトップ選手が集結。各コートで白熱した試合が繰り広げられた。

連覇の池山、磨き上げたバックハンドでアジアパラへ

車いす女子シングルスのクラス3では、池山優花(三菱オートリース)が決勝で来田綾(大阪パラ卓球連絡会)を3-1で下し、2年連続の優勝を果たした。2月のオーストラリアの大会では敗れた相手との再戦。池山は「来田選手のサーブも、フォアハンド、バックハンドもすごくいいのは分かっていたので、いかに打たせないかを考えて練習してきた。緊張はしたが、決勝は自信を持って臨めたし、フルセットにいかずに勝ちきることができてよかった」と振り返り、笑顔を見せた。

小学校から高校まで陸上に取り組み、100m走と走幅跳の選手だった池山。大学の入学式の日に交通事故に遭い、車いす生活となった。東京2020パラリンピックをテレビ観戦したことを機にパラスポーツに関心を持ち、いくつかの競技を体験。そのなかで「楽しかった」というパラ卓球に魅力を感じ、本格的に競技を始めた。

多くのトップ選手が所属する大阪の卓球クラブ「FANTASISTA」で練習を積み、武器のバックハンドをはじめ、技術を磨いてきた。今年10月のアジアパラ競技大会の日本代表にも選出されている。「国際大会でもバックハンドは通用するシーンも多かった。しっかり強化していきたい」と、さらなる飛躍を誓った。

友野が頂点、75歳の角田セツも2大会ぶりV

クラス8の友野は、世界ランキング3位の実力を発揮し、優勝を果たした

立位女子シングルスのクラス8は、パラリンピック2大会連続5位の友野有理(タマディック)が優勝を果たした。持ち味の多彩なサーブのレパートリーをさらに増やし、レシーブも強化してきたという友野。最新の世界ランキングでは3位に浮上し、世界でも存在感を示している。3度目の出場となるアジアパラでは、世界ランキング1位の黄文娟(中国)ら強敵が待ち受ける。「ラリーまで持っていけたら互角の戦いができるはず。しっかりと相手のサーブを見て、自分から打っていくなどして頑張りたい」と意気込んだ。

同クラス7では、75歳の角田セツ(藤沢レディース)が2大会ぶりの頂点に立った。55歳で退職後、かつて取り組んでいた卓球を再開し、指導員や審判の資格も取得して活動していたが、65歳の時に脳梗塞を発症し、左半身に麻痺が残った。その後、リハビリを経て5年前にパラ卓球を始め、海外遠征も精力的に挑戦。アジアパラの出場も決めた。「選んでもらって感謝している。ひとつでも多く勝ちたい」と、さらなる挑戦に意欲を見せた。

齊藤元希が雪辱V! 七野との決勝を制す

決勝で七野を破って頂点に立った齊藤

車いす男子シングルスのクラス4は、齊藤元希(プランテック)が決勝で七野一輝(オカムラ)を3-1で下し、優勝を飾った。七野がクラス変更で同クラスになって以降、全日本では第16回・17回大会と決勝で2連敗を喫していたが、3度目の対戦で見事に雪辱を果たした。「自分からより積極的に攻撃できるよう、少し前にバックのラバーを変えたことが有効だったと思う」と振り返る齊藤。新調した車いすにも動きを預けられるようになり、プレーの安定感が増したことも結果につながった。アジアパラではクラス4と5のコンバインで実施される予定。齊藤は「より状態の良い選手との対戦もあるだろうが、自分らしく対抗できるように練習を積んでいきたい」と、国際舞台を見据えた。

このほか、同クラス1は四海吏登(アンビションDX)、クラス2は宇野正則(CTS)が優勝。立位男子シングルスでは、クラス7を八木克勝(愛知ファイヤーズ)、クラス8を阿部隼万(キンライサー)、クラス9を岩渕幸洋(ベリサーブ)、クラス10を舟山真弘(早稲田大)が制した。

(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)