米国・ニューヨークで行われているテニスの全米オープンは大会13日目を迎えた。車いすの部は男女ダブルス決勝が行われた。注目の男子ダブルス決勝は、ウデ・ペイファー組(フランス)がディフェンディングチャンピオンのシェファーズ・ヴィンク組(オランダ)をストレートで下し、見事優勝を飾った。女子ダブルス決勝は、バーガー・ワラベン組(オランダ)が制した。
男子ダブルスはウデ・ペイファー組が優勝
男子ダブルスは、ウデ組がサービスエースや緩急をつけたショットを決めるなど絶好調。対するシェファーズ組は、ヴィンクのダブルフォルトなどで自らチャンスを逃すなど精細を欠いた。
試合は終始、ウデ組が支配。第1セットを6-3でとると、第2セットもリズムをキープしてチャンピオンペアを追い込み、6-1で見事に勝利した。
女子ダブルスはバーガー・ワラベン組が優勝
女子ダブルスは、第1シードのバーガー・ワラベン組とグリフォン・ヴァンクート組のオランダ対決に。決勝戦にふさわしい接戦となり、観客は息をのんだ。第1セットは7-5でバーガー組が先取。続く第2セットはタイブレークの末に、グリフォン組が取り返した。そして最終セットも互いに一歩も譲らない展開となり、最後は昨年優勝のバーガー組が意地を見せて優勝を遂げた。
実に、3時間14分にわたる死闘を繰り広げた両ペアには、観客席から大きな拍手が送られた。
クアードシングルスは明日、頂上決戦へ
また、クアードシングルスは最終ラウンド(3ラウンド制の総当り戦)の2試合が行われた。
これまで2勝のピーター・ノーフォーク(イギリス)と1勝1敗のデビッド・ワグナー(アメリカ)が対戦した注目のカードは、第1セットをワグナーが6-4で取り、第2セットの第1ゲームが終わったところで雨による中断が入った。およそ2時間後に再開されてからは、ワグナーが終始試合をコントロール。ノーフォークの度重なるダブルフォルトにも助けられ、6-2でワグナーが勝利した。これで両者ともに2勝1敗となり、NO.1を決める試合が明日ふたたび行われることになった。
一方、ここまで1勝1敗のノーム・ガーシェニー(イスラエル)と2敗のニコラス・テイラー(アメリカ)の試合は大激戦。まずは第1セットをガーシェニーが7-5で先取。そして、雨による中断を挟んで再開した第2セットは、互いに一歩も譲らない攻防が続き、3-4から3ゲーム連続で逆転したテイラーが取り返した。そしてファイナルセットもタイブレークにもつれ込み、最後は落ち着いた配球で相手にゆさぶりをかけたテイラーが勝利した。
また、シングルスのあとに開催予定だったクアードダブルスの決勝は、ノーフォークが怪我のために出場を断念。ワグナー・テイラー組(アメリカ)の不戦勝による優勝が決まった。
【10日の結果】
●男子ダブルス
Maikel Scheffers・Ronald Vink(オランダ)2-0【6-3、6-1】)Stephane Houdet・Nicolas Peifer(フランス)
●女子ダブルス
Sharon Walraven・Esther Vergeer(オランダ)2-1【7−5、6−7(8)、6−4】Jiske Griffioen・Aniek Van Koot(オランダ)
●クアード(※出場は4名、3ラウンド制)ROUND3
David Wagner(アメリカ)2-0【6-4、6-2】Peter Norfolk(イギリス)
Nicholas Taylor(アメリカ)2-1【5-7、6-4、7-6(3)】Noam Gershony(イスラエル)
(取材・文/荒木美晴、撮影/吉村もと)