車いすテニス — 2018/5/17 木曜日 at 22:48:11

【JAPAN OPEN】国枝と上地が強敵破り、単複で決勝に進出!

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国枝が強敵フェルナンデスをフルセットで撃破。納得のプレーに拳を握った=筑豊ハイツテニスコート

「第34回飯塚国際車いすテニス大会(JAPAN OPEN)」は17日、シングルスの準決勝などが行われ、男子の国枝慎吾(ユニクロ)、女子の上地結衣(エイベックス)が決勝進出を決めた。

男子の国枝は、グスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)に7-5、5-7、6-1のフルセットで競り勝った。序盤からタフなラリーが続き、互いにゲームを奪い合う展開に。「(パワーヒッターの)フェルナンデスに打ち負けないように」と、国枝は精度の高いショットで試合をコントロール。「とくにフォアハンドでウィナーを量産できた」と、勝因を振り返った。

決勝では、リオパラリンピック金メダリストのゴードン・リード(イギリス)と対戦。両者は今年、全豪オープンとアメリカの大会で対戦し、いずれも国枝が勝利している。国枝は「リードは最近調子を落としていたが、いま覚醒してきている」と警戒しつつ、「全力を尽くして」3年ぶり9度目の優勝を狙う。

上地は相手の動きを冷静に分析し、ストレートで勝利

大会5連覇中の女子世界ランク1位の上地は、サコーン・カンタシット(タイ)と対戦し6-1、6-0で勝利。ブレないラケットワークでコースを突く相手のショットに苦しむ場面もあったが、最後まで冷静にボールを打ち分け、リズムを作った。決勝では、世界4位のサビーネ・エラーブロック(ドイツ)と頂点をかけて戦う。今年から優勝者に皇后杯が授与されることについて、「海外の選手に渡したくない。声援を力に頑張ります」と話した。

クアードの菅野浩二(リクルート)は第2シードのディラン・アルコット(オーストラリア)に3-6、3-6で敗れた。アルコットはリオパラリンピックの金メダリストで、シングルスではこの試合が初対戦。「大事な場面でポイントを取らせてもらえなかった。自分と(障がいの程度やプレースタイルは)似ているけど、精度の違いを感じたし、巧かった」と菅野。その一方で、「フォアはある程度打てていたし、相手を後ろに下げて前に落とす戦術が通用したところもある。負けてしまったけれど、楽しかった」と世界トップ選手との対戦を振り返った。今年10月のアジアパラ競技大会(インドネシア)でのメダル獲得が直近での目標。さらなる強化に励むつもりだ。

また、上地はジュリア・カッポッチ(イタリア)と組んだダブルスでも決勝に駒を進めた。国枝もフェルナンデスとのダブルスでファイナルに進出しており、男女とも単複2冠達成に期待がかかる。

(取材・文・撮影/荒木美晴)