「2024 IWBF 女子車いすバスケットボール最終予選」の最終戦が20日、Asueアリーナ大阪で行われ、予選リーグB組3位の日本は同A組2位のオーストラリアに50-26で勝利し、パリパラリンピックの出場権を獲得した。
序盤から日本は堅い守りで相手のシュートチャンスの芽を摘み、第1Qは4得点、第2Qは3得点に抑えた。オフェンス面では、北田千尋(4.5)や網本麻里(4.5)らのスピードを活かした速攻などで得点を重ね、25-7で前半を折り返した。後半、リズムを変えたいオーストラリアは細かくパスをつないでゴール下へとボールを持ち込むが、日本はうまく体を寄せてブロック。相手の反則で得たフリースローを確実に決め、また今大会4本目となる柳本あまね(2.5)の3ポイントシュートなどで、粘るオーストラリアを突き放した。
歓喜に沸くコートでマイクを手にしたキャプテンの北田は、「男子が東京パラリンピックで銀メダルを獲得し、車いすの知名度が上がり、ファンも増えた。それをつないでいくことができてホッとしています」とスピーチ。会場で応援を送った多くの観客に手を振り、感謝していた。
女子日本代表は2008年の北京パラリンピックはベスト4の成績を残したが、ロンドン大会とリオ大会は出場を逃した。東京大会は開催国枠で出場。パリ大会は2大会連続、9回目のパラリンピックとなる。
パリ大会は前回からチーム数が減り、男女とも8チームで争う。すでに各大陸予選で4チームが出場を決めており、残りの「4枠」を今大会で争った。日本、オーストラリアのほかに、フランス、スペイン、ドイツ、アルジェリア、カナダ、タイの8カ国が参加。4チームずつ2グループに分かれてリーグ戦を行い、そのグループ内の順位でクロスオーバー戦の組み合わせを決め、最終日に実施。予選リーグで勝てなくても、クロスオーバー戦で勝てば一発逆転で出場権を獲得できるルールになっていた。出場権を獲得したのは日本のほかに、カナダ、スペイン、ドイツ。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)