熊谷が日本初得点を決めるも、チェコに1-2で敗れる

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第3ピリオド、パワープレーの場面でシュートを決めた熊谷(FW)=HARBORCENTER/撮影:吉村もと

アイススレッジホッケー世界選手権は27日、予選リーグの4試合が行われた。グループAの日本はチェコと対戦し、1-2で敗れた。

両チームとも初戦で敗れて1敗同士。どちらも決勝トーナメント進出のためには負けられない一戦となった。試合開始直後のペースを握ったのは日本だった。多くの時間をアタッキングゾーンでプレーし、相手のゴールを脅かした。

第2ピリオド、高橋のシュートは惜しくもゴールポストにはじかれた

試合が動いたのは、ともに無得点で迎えた第2ピリオド。攻める日本は高橋和廣(FW)を中心にシュートを狙うが決め切れず、逆に甘いパスワークになったところをチェコに拾われ、ターンオーバーからパックを持ち込んだMichal Geier(FW)にシュートを決められた。

最終ピリオドに入り、ゴール前のディフェンスラインが崩れたところを再びチェコのMichal Geierに得点された日本だったが、終盤にチャンスを得る。

ゴール前で円陣を組み、大きな掛け声で気合いを入れる日本代表

試合時間を5分残したところでチェコがペナルティを犯し、数的優位のパワープレーとなった場面で、今大会ファーストラインに名を連ねる熊谷昌治(FW)が豪快にシュートを放ち、1点差に迫った。

その後はゴールキーパーをあげて6人攻撃をしかける日本。しかし、最後まで決定打が出ず、この試合を落とした。日本は29日に予選最後のノルウェー戦に臨む。

得点を決めた熊谷は「パワープレーからの1点はうまくいった」としながらも、「他にもフリーで打つチャンスがあったのに決め切れなった。本当に悔しい。どうしても取りたい試合だった」と唇を噛んだ。「3ピリ目にリレーしてカズ(高橋)につないだ場面があったように、自分が落ち着いて相手をひきつけるプレーをしないといけない。ノルウェー戦ではしっかりと修正して臨みたい」と語り、前を向いた。

そのノルウェーは第2試合でカナダと対戦し、0-5で敗れた。カナダはゴール横からの技ありシュート、鮮やかなパス回しからの得点などで2勝とした。

日本がセミファイナルに進出するには

本日の試合の結果、予選グループAは2勝のカナダが勝ち点6でセミファイナル進出を決めた。大会のルールによると、最終的に予選1位抜けのチームを除く残りの3チームが勝ち点で並んだ場合、その3チーム内での得失点差で改めて残りの一枠を争うことになる(対カナダ戦の得失点差は考慮されない)。つまり、今日の試合でチェコに負けた日本は今のところ勝ち点0だが、29日の試合でチェコがカナダに負け、日本がノルウェーに2点差以上つけて勝てば、勝ち点3で並ぶと同時に、さらに得失点差で両チームを上回ることになり、日本のセミファイナル進出が決まる。

ノルウェー戦で激しい混戦の中、先制点を挙げたカナダのAdam Dixon

■27日試合結果

<予選グループA>

チェコ 0-1-1=2(1勝1敗)
日本 0-0-1=1(2敗)
(日本得点:①熊谷 A須藤、堀江)

カナダ 3-1-1=5(2勝)
ノルウェー 0-0-0=0(1勝1敗)

ロシアを勢いづける先制点を挙げたVasilii Varlakov(赤ユニフォーム)

<予選グループB>

ロシア 1-1-1=3(1勝1敗)
イタリア 0-0-0=0(1勝1敗)

アメリカ 4-3-0=7(2勝)
ドイツ 0-0-0=0(2敗)

(取材・文/荒木美晴、写真/吉村もと)

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