アイススレッジホッケーAプール世界選手権が現地時間26日、アメリカニューヨーク州バッファローのハーバーセンターで開幕した。世界の上位8カ国(カナダ、アメリカ、ロシア、チェコ、ノルウェー、イタリア、ドイツ、日本)が参加。予選グループAの日本はカナダと対戦し、0-17の大差で敗れた。
日本の初戦の相手はディフェンディングチャンピオンのカナダ。格上の相手とはいえ、日本は45分を通して一度もチャンスを作れないまま終わってしまった。試合開始からわずか20秒で失点すると、立て直す間もなくカナダの圧倒的なスピードに翻弄され、ディフェンスが崩壊。パックに吸い寄せられ、簡単にマークを外されるシーンも多々見られた。第1ピリオドのみで21本ものシュートを浴び、実に12失点を喫するという、まさに悪夢のような展開に。
第2ピリオドは、「ボックスをうまく組めと監督から指示を受けた。みんなで声を掛け合いながら入った」とキャプテンの須藤悟(DF)。初代表の選手をどんどん投入するカナダに押されながらもミスを最小限に留め、第3ピリオドはリンク中央付近でのフォアチェックが機能する場面も。だが、カナダのゴールは想像以上に遠く、最後までアタッキングゾーンに攻め込むことすらできなかった。
試合後、須藤は「大会前に(イタリア、ロシアと)テストマッチをしましたが、試合は久々(1年半ぶり)。わかってはいたのに、ベンチにも緊張感があり、硬くなってしまったところがあった」と反省の弁。27日のチェコ戦については、「今日の第2、3ピリオドにできたことを表現できれば勝機はあると思います。もうひとつも落とせないので頑張ります」と話し、前を向いた。
また、中北浩仁監督は「一方的な展開になることは想定していたが、あまりにも入り方が悪かった。(大量失点は)Aプールではやってはいけないこと。終盤は日本のフォーメーションが展開できていたので、明日は自信を持って臨んでほしい」とコメントした。
日本と同じグループAのチェコ対ノルウェーの試合は、チェコがペナルティによって一人少ないキルプレー中に先制。だが、ノルウェーが第2ピリオド2分半で同点に追いつくと、その2分後に逆転に成功。その後、さらに追加点を入れて突き放し、3-1でノルウェーが勝利した。日本は27日にチェコ、29日にノルウェーと対戦する。
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予選グループBのイタリア対ドイツは1-0でイタリアが勝利。終始拮抗した展開となったが、イタリアが第1ピリオドの先制点を最後まで守りきった。
またこの日の最終戦はアメリカ対ロシア。日曜の午後8時からの試合とあって、1800人収容できる会場は満員に。試合はアメリカが第1ピリオドにパワープレーの場面で先制すると、第2ピリオドにも針の穴を通すような正確なパスワークでパックをつないで2点を追加。ロシアはゴール前で粘り、厳しい攻防から鋭いシュートで1点を返したが、最終ピリオドにさらに追加点を挙げたアメリカが6-1で勝利した。
■26日試合結果
<予選グループA>
チェコ 1-0-0=1(1敗)
ノルウェー 0-3-0=3(1勝)
カナダ 12-3-2=17(1勝)
日本 0-0-0=0(1敗)
<予選グループB>
イタリア 1-0-0=1(1勝)
ドイツ 0-0-0=0(1敗)
アメリカ 1-2-3=6(1勝)
ロシア 0-1-0=1(1敗)
(取材・文/荒木美晴、写真/吉村もと)
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