遠い白星……日本はリズムつかめず予選全敗

by
3点差で迎えた第3ピリオド、円陣を組んで気合いを入れる日本代表=HARBORCENTER/撮影:吉村もと

アイススレッジホッケー世界選手権は29日、アメリカ・バッファローで予選リーグの最終戦が行われた。グループAの日本はノルウェーと対戦し、0-5で敗れた。

ここまで2敗と後がない日本。何としても勝利して、勝ち点3を得たいところだったが、第1ピリオドは立ちあがりからパスが通らず、攻守のリズムをつかみきれないまま展開していった。

両チーム無得点で迎えた第2ピリオド。日本はノルウェーのペナルティでパワープレーのチャンスを得る。しかし、2分1秒、自陣に流れてきたパックを守護神・永瀬充がまさかのクリアミスを犯してオウンゴール(記録はノルウェーのMorten Vaernes)。ラッキーな先制点を手にしたノルウェーは、その後ターンオーバーからの得点とパワープレーでのゴールで2点を追加した。

第3ピリオドから永瀬に代わってマスクを被ったGK望月

3点を追う日本は、GKを望月和哉に変えて最終ピリオドを迎える。しかし、日本は焦りからかパックが手につかず、さらに2点を献上。

残り3分、再びノルウェーのペナルティからパワープレーのチャンスを得るものの、逆に人数が少ないノルウェーに攻め上がられる場面も。最終的にシュート数はトータルでわずか6本のみ。日本は最後までゲームメークすることができなかった。

チェコの堅守を破り、カナダのBilly Bridges(FW)が2ゴールをマーク

同じグループAのカナダ対チェコの試合は、カナダが2-0でチェコに勝利。チェコは第1ピリオドの両チームとも一人ずつ少ない場面で先制点を許したが、全員ディフェンスで最小限の失点にとどめた。だが最終ピリオド、カナダが多彩な攻撃でチェコゴールに迫る。残り5分を切ったところでAdam Dixon(DF)が右サイドからゴール前に宙を切るパスを出し、それにBilly Bridges(FW)がスティックを合わせて追加点。鮮やかなゴールに会場が沸いた。

「チームとして走れていない」。ミックスゾーンで悔しさをにじませる堀江

この結果、3勝のカナダと2勝1敗のノルウェーが決勝トーナメント進出を決めた。日本は予選A・B両グループの下位2チームによるクロスオーバーゲームにまわり、30日にグループB3位のイタリアと対戦する。日本の堀江航(DF)は、ノルウェー戦の悔しさをにじませながら、明日のイタリア戦については「集中力が肝になる」と分析。「おそらく1点差の勝負になると思う。自分はディフェンスなので守り切りたい」と話した。

予選グループB

第一試合のロシア対ドイツは、ピリオドごとに得点を重ねたロシアが10-0で完勝。ドイツは我慢のディフェンスが続く中、何度かシュートチャンスを得るも、ロシアのスピードと堅い守りに阻まれて得点には至らなかった。

第2ピリオドにアメリカ待望の追加点を挙げたJoshua Pauls(DF)

アメリカ対イタリアは、7-0でアメリカが勝利。試合開始直後からアメリカがパックを支配し、第1ピリオドにパワープレーで先制点。合計44本ものシュートをイタリアゴールに浴びせた。対するイタリアはシュート数3本に抑え込まれ、最後まで攻撃の糸口をつかむことができなかった。

この結果、グループBは全勝のアメリカと2勝1敗のロシアが準決勝に進出を決めた。

■29日試合結果

2009年オストラバ大会以来の準決勝進出を喜ぶノルウェーチーム

<予選グループA>

カナダ 1-0-1=2(3勝)
チェコ 0-0-0=0(1勝2敗)

ノルウェー 0-3-2=5(2勝1敗)
日本 0-0-0=0(3敗)

◆順位
カナダ3勝(勝ち点9)
ノルウェー2勝1敗(勝ち点6)
チェコ1勝2敗(勝ち点3)
日本3敗(勝ち点0)
※カナダとノルウェーが準決勝進出

<予選グループB>

パワープレー中に4点目を決めたロシアのAlexey Amosov(FW)

ロシア 3-4-3=10(2勝1敗)
ドイツ 0-0-0=0(3敗)

アメリカ 1-2-4=7(3勝)
イタリア 0-0-0=0(1勝2敗)

◆順位
アメリカ3勝(勝ち点9)
ロシア2勝1敗(勝ち点6)
イタリア1勝2敗(勝ち点3)
ドイツ3敗(勝ち点0)
※アメリカとロシアが準決勝進出

(取材・文/荒木美晴、写真/吉村もと)

※本記事はグローバルWiFi®を使用して配信しています。