接戦制したカナダが決勝進出、地元アメリカと頂上決戦へ

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先制点を許すも冷静な試合運びで逆転勝ちし、決勝進出を決めたカナダ代表=HARBORCENTER/撮影:吉村もと

アイススレッジホッケー世界選手権は1日、準決勝2試合が行われた。第一試合のカナダ対ロシアは、3-2でカナダが接戦を制した。第二試合のアメリカ対ノルウェーは6-0でアメリカが勝利した。

準決勝/カナダ 3-2 ロシア

厳しいマークにあいながらも2得点をマークしたカナダのBilly Bridges

前回王者のカナダとソチパラリンピック銀メダルのロシアとの準決勝は、序盤から攻守が入れかわる接戦に。最初に均衡を破ったのはロシア。13分24秒、カナダの反則によるパワープレーの場面でIlia Volkov(FW)が相手ゴール前に切り込み、鮮やかなシュートを決めた。

先制点を挙げて波に乗るロシアは続く第2ピリオドも積極的に攻め上がる。だが、カナダも速い戻りで簡単には追加点を許さない。そして、8分45秒にBilly Bridges(FW)がゴール前の混戦からパックを押し込み同点にすると、14分14秒にもパワープレーから得点し、ついにカナダが逆転した。

Adam Dixonの3点目を喜ぶキャプテンのGreg Westlake

1点差で迎えた最終ピリオド、またもやパワープレーから追加点を入れたカナダに対し、ロシアも8分13秒にパワープレーチャンスから1点を返した。勢いをキープしたまま終盤に突入したロシアは試合終了13秒前にゴールキーパーをあげて6人攻撃をしかけるが、カナダの堅守に阻まれ、万事休す。わずかにカナダに届かなかった。

両チームとも、チャンスの場面でしっかりとゴールを決めた得点力の高さはさすが。激戦を戦ったカナダとロシアには、会場の観客から大きな拍手が送られた。

準決勝/アメリカ 6-0 ノルウェー

アメリカ2点目のJoshua Sweeneyは主将としてチームをまとめる

ソチパラリンピック金メダルの地元アメリカは優勝候補の筆頭。対するノルウェーも過去5大会連続でパラリンピックでメダルを獲得した実績のある古豪だ。

第1ピリオド、アメリカがノルウェーのペナルティによるパワープレーで先制点を入れると、主導権はアメリカに。ノルウェーは全員プレーで守りを固めるが、アメリカのスピードが勝り、第2ピリオド終了までに5失点。アメリカは最終ピリオド開始46秒に6点目を追加し、完勝した。

3日に行われる決勝は、カナダ対アメリカ。世界を牽引する2強の戦いに注目が集まる。

■準決勝の結果

ソチ後に就任したノルウェーのEspen Hedge監督の手腕にも注目

カナダ 0-2-1=3
ロシア 1-0-1=2

アメリカ 2-3-1=6
ノルウェー 0-0-0=0

(取材・文/荒木美晴、写真/吉村もと)

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