陸上 — 2021/4/26 月曜日 at 11:30:26

【ジャパンパラ】代表内定の兎澤がアジア新記録で優勝!

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女子走幅跳(T63)をアジア記録で制した兎澤朋美=屋島レクザムフィールド(撮影/植原義晴)

東京2020パラリンピックの代表最終選考会を兼ねる「2021ジャパンパラ陸上競技大会」(香川県高松市・屋島レクザムフィールド)は25日、大会最終日を迎えた。

女子走幅跳(T63)で東京2020パラリンピック日本代表に内定している兎澤朋美(富士通)は、1本目の跳躍で4m56をマーク。自らが持つアジア記録を12㎝更新し、優勝した。この日は追い風、向かい風と風向きが定まらないコンディション。記録を出した1本目は1.7mの向かい風ながら、助走でスピードに乗り、力強く踏み切った。冬季の走り込みが成果となり、初日の100mも制している兎澤は、「今日はおおむね、理想に近い助走ができた。あとは空中姿勢や着地の課題はあるけれど、この風のなかでベストを更新できたのはよかった。プラスの風だったらもっと更新できたかな」と自信をのぞかせる。パラリンピックに向けては、「表彰台は5mが基準になる。そこを目指したい」と言葉に力を込めた。

同T61クラスは両脚義足の湯口英理奈(日体大)が、3本目で自己ベストを42㎝塗り替える3m42のアジア新記録で優勝した。大幅な記録更新にも「悔しい」と話した湯口。「3m70~80㎝を目標にしていた。トップスピードのまま踏み切るなど改善すべき点がまだあるので」と話し、さらなる高みへの挑戦を誓っていた。

東京パラ本番に向けて順調な仕上がりを見せた和田(左)とガイドの長谷部さん

男子1500m(T11)で代表に内定している和田伸也(長瀬産業)は、同800mに出場。2分5秒71で自身が持つアジア記録を更新し、初日の1500mに続き、2冠を達成した。ガイドの長谷部匠さんも職場の理解を得て競技に専念できる環境になり、これまで一緒に練習する機会が週に1回程度だったものが、現在は週に3~4回に増えたという。この日のレースでも「プラン通り走れました」と長谷部さんが言うように息の合った走りを見せた。800mは東京パラでは実施されないが、1500mと5000mの2種目でメダル獲得を狙う和田。「体調は好調をキープできている。本番に向けてしっかり調整していきたい」と力強く語った。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)