ゴールボール — 2019/12/10 火曜日 at 0:39:24

女子は3連覇まであとひとつ! 男子はイランに雪辱ならず

by
攻守で活躍し、チームの勝利に貢献した欠端瑛子=千葉ポートアリーナ(撮影/植原義晴)

「2019IBSAゴールボールアジアパシフィック選手権大会」は9日、男女の準決勝が行われ、予選リーグ2位の女子日本代表は同3位のオーストラリアを3-1で下した。決勝では3連覇をかけ、リオパラリンピック銀メダルの中国と対戦する。また、男子日本代表はイランに1-3で敗戦。3位決定戦で韓国と対戦する。

女子は決勝進出! 中国にリベンジなるか

準決勝に先立ち行われた予選リーグ最終戦で、女子日本代表はこのオーストラリアに逆転勝ち。そして、準決勝は日本が先に試合のリズムを握った。前半終盤に萩原紀佳がセンターの右寄りにグラウンダーを決めると、後半から出場の欠端瑛子が2得点の活躍。オーストラリアにはスピードのあるボールで1点を返されるが、最後まで守り切った。

市川喬一HCは、「システムが崩れて1失点したけれど、メダルを確定させたことは評価したい」。3連覇をかけて戦うのは、予選リーグで唯一、土をつけられた中国。欠端は「速いグラウンダー、高いバウンドボール、スピードがあるチーム。自分たちが嫌がるところに投げ続けてくるが、冷静に対応したい」とコメントし、キャプテンの天摩由貴は「我慢してよい流れを持ってきたい」と話し、前を向いた。

男子はイランに敗れ、3位決定戦へ

相手の足音やボールの音をサーチし、ボールを止めるセンターの田口侑治

世界ランク12位の男子日本代表は、同8位のイランと対戦。センターに田口侑治、ウィングに山口凌河、金子和也の布陣で臨んだ。予選リーグでは6-10で敗れた相手だ。その反省から守備面を修正し、序盤からきっちりと守る日本。その後は両チームとも譲らない攻防戦となるなか、日本は厳しいコースへの配球でじわじわと攻める。そして、前半残り31秒、山口が相手選手の間を狙った投球を見事に決め、1点リードで後半につないだ。

後半に入ると、選手交代で途中出場のカリル・シャーヒラリーにスピードのあるグラウンダーボールを決められ、同点に。残り6分、日本は金子を下げ、宮食行次を投入するが、その宮食が狙われ、モハマッド・ストランジに連続得点を許してしまう。そこから必死に盛り返す日本だったが得点を追加することはできず、悔しい敗戦となった。試合終了のホイッスルが鳴ると宮食は涙を流し、しばらく立ち上がることができなかった。

江黒直樹HCは、後半の選手交代について「(宮食のバウンドボールで)変化を持たせたいと思ったのでカードを切った。でもそのタイミングで流れを変えてしまった。選手は本当に頑張っていたし、申し訳ない」と唇をかんだ。

先制点を挙げた山口は「得点はミーティングで話していた通りだったのでよかった。でも接戦で勝つのが僕たちのゴールボールなのに、それができなかったのが情けない」と目を潤ませ、また田口は「自分たちが(格上の)イランに勝って歴史を変えるんだ、中国を破るんだと声をかけあってやってきた。その6人のチームワークは、すごく良かったと思う」と話し、3位決定戦に向けて気持ちを切り替えていた。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)