ゴールボール — 2019/12/10 火曜日 at 22:41:35

女子代表が中国下し、3連覇達成! 男子代表は銅メダルを獲得

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ライバルの中国を下し、優勝した女子日本代表チーム=千葉ポートアリーナ(撮影/植原義晴)

「2019IBSAゴールボールアジアパシフィック選手権大会」は10日、男女の決勝が行われ、女子日本代表が中国を2-1で下し、3大会連続の優勝を果たした。男子は中国がイランに10-0のコールド勝ちをおさめ、圧倒的な強さを見せて大会を締めくくった。男子中国代表は、東京2020パラリンピックの出場権を獲得した。男子日本代表は3位決定戦で韓国に11-5で勝利し、銅メダルを獲得した。

<女子決勝> 日本2-1中国

予選リーグでは中国に敗れている日本。その試合のあと、キャプテンの天摩由貴が「決勝では日本が先制点を取って、リズムを掴みたい」と話していた通り、決勝は試合開始13秒で、天摩が有言実行の先制点をマーク。分析班のデータで見えてきた中国の弱点となる左サイドに丁寧にボールを集め、欠端瑛子も1点目と同じところに追加点を決めた。

開始13秒で先制点を決め、チームを勢いづかせたキャプテンの天摩由貴

だが、相手は出場チーム随一の攻撃力を誇る中国。前半残り3分20秒、センターのシュー・ミンヤオがディフェンス後に速攻を仕掛け、日本はその想定外の動きに対応できず1点を返されてしまう。その後は守備を徹底する日本。疲れが出始める後半に入っても集中力を切らさず、1点差を守り切った。

24分間、交代せずに戦い抜いた天摩は、「私はディフェンスが課題だったので、決勝の舞台で中国相手に自分の守るべき範囲をしっかり守れたことは自身になった」と振り返る。

また、回転投げで勢いのあるボールを投げ続け、チームの勝利に貢献した欠端は、「3連覇の目標を達成できてよかった。大会序盤は調子が出なかったけれど、最後はしっかり得点を決めて勝つことができてよかった」と笑顔を見せた。

市川喬一HCは、「リオで逃したメダル獲得のために、強化をしてきている。この大会で結果を残したので、次に進むことができる。これからもチーム一丸で頑張っていく」と話し、前を向いた。

<男子3位決定戦> 日本11-5韓国

3位決定戦でチーム最多の6得点をマークした金子和也

男子3位決定戦は、開始1分間の間に韓国に2点を奪われる展開に。たまらずタイムアウトを要求した日本はその後、チーム唯一のサウスポーである金子和也がバウンドボールを相手ゴール左隅に決める。さらにその1分後に山口凌河が同点弾を入れると、ここから日本が4連続得点。

前半終了間際に韓国に得点を許すが、後半に入っても日本はコンスタントに得点を決め、終わってみれば予選リーグの試合を含めて最多タイの11得点。選手とスタッフは円陣を組み、互いの健闘を称えた。

江黒直樹HCは、「アジアでチャンピオンになって東京へ、という夢は昨日破れてしまったけれど、もっとパワーアップして、強いチームをみなさんに見せたい」と話し、来年に迫ったパラリンピックの大舞台に向けて、気持ちを新たにしていた。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)