ゴールボール男子は、初戦でアルジェリアを13−4で制し、パラリンピック初出場にして、初勝利を挙げた。記念すべき先制点は、金子和也(サイバーエージェントウィル)の投球。ディフェンスから素早く切り返したボールは、相手ゴールの右隅に吸い込まれるように決まった。
その後も金子の速いボールや、宮食行次(金子と同)の移動攻撃などで得点を重ね、初めて参加するチームとは思えないほどの、圧倒的な力を見せつけた。
「悲願のパラリンピック出場。その思いを背負ってきた」という宮食。2017年3月にゴールボール日本代表を引退し、その後男子強化指導スタッフとして活動してきた工藤力也コーチは、「初出場、初勝利は自信となって、スタートラインにきっちり立てた」と自身が叶えられなかった夢を後輩たちが実現させたことを喜んだ。
また、2016年のリオ大会では5位、2012年ロンドン大会では金メダルを獲得したこともある女子チームも同日トルコとの初戦を迎えたが、7―1で惜敗。男子と女子、どちらも指導する市川喬一日本代表監督監督は、「トルコに7点取られることは初めて。これがパラの難しさだが、この大会は始まったばかり」と語り、キャプテンの天摩由貴(マイテック)は「次のブラジル戦に向けて切り替えていく」と前を向いた。
男女とも、次の対戦は27日。男子はアメリカ、女子はブラジルを相手に全力を尽くす。
(取材・文/山本千尋、撮影/佐山篤)