2020東京パラリンピック, NEWS — 2021/8/25 水曜日 at 2:19:14

【東京2020】1年延期となった東京パラリンピック、いよいよ開幕

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旗手を務めたトライアスロン女子の谷真海と卓球男子の岩渕幸洋を先頭に入場する日本選手団=オリンピックスタジアム(撮影/植原義晴)

第16回夏季東京パラリンピック競技大会が24日、オリンピックスタジアム(国立競技場)で幕を開けた。新型コロナウイルスの感染拡大によって1年延期となった本大会は、「学校連携観戦プログラム」が希望者のみで実施されるが、原則無観客。25日から9月5日までの12日間にわたり、難民選手団を加えた計162ヵ国、史上最多の4,403名(うち女子選手は1,853名)が、22競技でメダルをかけて戦う。

午後8時にスタートした開会式のコンセプトは、「WE HAVE WINGS」。誰もが人生の逆風に立ち向かう「翼」があることを、パラアスリートの姿を通して気づいてほしいとの思いを込めて、会場を「パラ・エアポート」に見立てた演出で進められた。

難民選手団から始まった入場行進は、オリンピックと同様、日本語の50音順で登場。国内情勢が緊迫化したことによって不参加となったアフガニスタン代表に代わり、ボランティアが国旗を掲げて入場した際は、ひときわ大きな拍手がわき起こった。最後に入場した日本選手団は、旗手のトライアスロン女子・谷真海(サントリー)と卓球男子・岩渕幸洋(協和キリン)に率いられ、選手やスタッフ、役員など194名が笑顔で行進。聖火リレーの最終ランナーは、車いすテニスの上地結衣(三井住友銀行)、パワーリフティングの森﨑可林、ボッチャの内田峻介という現役アスリート3人が務めた。

聖火を灯した3人の現役アスリート。左から森﨑可林、上地結衣、内田峻介

今回、開催国の日本はリオ2016大会のほぼ2倍、254名が参加する。開会に先駆けて、アーチェリーの上山友裕(三菱電機)は「オリンピックのアーチェリーが盛り上げてくれたので、パラリンピックもチーム一丸となってメダルを獲りたい」、陸上・400mと1500mの世界記録保持者である佐藤友祈(モリサワ)は「世界記録を更新しての金メダル獲得を2種目で達成する」、今大会から正式競技となったバドミントンの里見紗李奈(NTT都市開発)は「単複ともに必ず金メダル獲得し初代女王になる」と力強いコメントを発表した。

延期発表から1年半。さまざまな声があるなかで、葛藤しつつもひたむきに努力し続けてきたアスリートたち。期待や不安、そして感謝の思いを胸に、この大会に向けて磨いてきたパフォーマンスをいかんなく発揮してほしい。

(取材・文/山本千尋、撮影/植原義晴)