ゴールボール — 2016/7/25 月曜日 at 22:29:58

ジャパンパラ閉幕、日本Aは2位に終わるもリオに向けて収穫

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イスラエルとの決勝を前に円陣を組む日本A=足立区総合スポーツセンター

イスラエルとの決勝を前に円陣を組む日本A=足立区総合スポーツセンター

国内最高峰の大会のひとつである「2016ジャパンパラゴールボール競技大会」が22日から24日の3日間にわたって、足立区総合スポーツセンターで行われた。競技のさらなる普及と発展、選手強化のためにイスラエル代表と韓国代表を招き、日本を2チームに分けた計4チームで熱戦を繰り広げた。

予選全勝の日本Aは決勝でイスラエルに敗れる

4年前のロンドンパラリンピックで金メダルを獲得した日本は、現在世界ランキング4位。9月に開幕するリオ大会の初戦では、今回来日したイスラエルと対戦することになっている。両国の直接対決は4年ぶりだといい、互いにリオ本番を意識した総力戦を展開した。

今大会、試合の流れを見て積極的にメンバー交代を行い、様々なシチュエーションを想定して臨んだ日本A。予選リーグでは6戦全勝、失点もわずか2に抑え、持ち味の守備力の高さもライバルたちにアピールした。

その勢いをキープしたい日本だったが、決勝ではイスラエルに先制を許して劣勢に。執拗にレフトへ攻撃するイスラエル。日本は欠端瑛子やセンター浦田理恵が懸命にディエンスし、ライトの小宮正江もレフトに回り込んで二人をフォローするが、前半で3点を決められた。

日本はディフェンス力で世界と戦う

日本は鉄壁の「一文字ディフェンス」で世界と戦う

その後、前半の終盤に小宮がライトからレフトへの移動攻撃で1点を奪い、後半の試合時間残り1分17秒にも追加点を挙げた日本。残り38秒と6秒にタイムアウトを取り、逆転への反撃に出るが、ゴールネットを揺らすことはできなかった。

だが、選手たちは「収穫のある大会だった」と口をそろえる。男子並みの速さと強さを誇るバウンドボールは今や女子の世界でも主流だ。そのバウンドボールを得意とするイスラエルを予選で抑え込めたのは、強化の一環で男子を相手に練習を積んできた成果だ。

キャプテンの浦田はリオを見据えて「壁づくりの課題が明確になった」と話し、また市川喬一ヘッドコーチも「リオ前の情報戦のなかで互いに手の内すべてをさらけ出したわけではない」としながらも、「取りたかった相手のデータが収集できた」と、勝敗以上の手ごたえを語る。

金メダルを獲得したロンドンパラリンピック後に引退していた小宮が復帰したのも追い風になる。小宮にとって2年ぶりの国際試合だったが、要所で点を取り、チームをまとめる存在感は健在だ。引退後にコーチも経験した小宮は、「外から見て理想としていたイメージと、実際に自分が動いたときのズレというか差がある」と首をひねるが、リオまでに修正は十分可能。市川ヘッドコーチも「年齢を重ねているのでロンドンと同じ役割とはいかないが、経験値の影響力は大きい」と話し、チームへの貢献に期待を寄せていた。

若手中心の日本Bが価値ある1勝で銅メダル獲得!

三位決定戦で韓国を破る成長を見せた日本Bのメンバーら

三位決定戦で韓国を破る成長を見せた日本Bのメンバー

日本Bは、ともに18歳のセンター田淵あづきとレフト高橋利恵子が国際大会初出場。キャプテンのライト安室早姫と、北京パラリンピックに出場したベテランの高田朋枝がチームを引っ張る。予選リーグでは1勝ができずに終わったが、1日3試合をこなすうちに、徐々にまとまり、三位決定戦では韓国を5-2で破った。

圧巻だったのは前半。高橋がクロスボールで相手のレフトにゴールを決めると、立て続けに4得点を追加。さらに韓国に1点を許した直後に、安室が相手ディフェンスの間を抜くスーパーショットを決め、再びリズムを引き寄せた。後半は無得点に終わり、韓国に速攻から追加点を挙げられるなど課題も残ったが、全員プレーで価値ある銅メダルを獲得した。

試合後、安室は「試合を重ねるごとにチームワークが良くなっていった」と話し、手ごたえを感じた様子。また、増田徹ヘッドコーチも、「経験が浅い選手も一球ずつ成長していった」と大会を振り返り、一人ひとりの経験値の向上が大きな勝利につながったことに笑顔を見せた。

(取材・文/荒木美晴)