車いすテニス — 2023/6/8 木曜日 at 6:01:45

【全仏OP】クアード菅野が全仏初勝利! 小田、上地、大谷も準決勝へ

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クアード1回戦に勝利し、ガッツポーズを作る菅野=パリ・ローランギャロス(撮影/植原義晴)

フランス・パリで開催されているテニス全仏オープンは7日、車いすテニスのクアードシングルスがスタートした。クアードのドローは「8」で、日本勢ではワイルドカードで菅野浩二(リクルート)が出場。その菅野は、1回戦でヒース・ダビッドソン(オーストラリア)に6-2、7-5で競り勝ち、準決勝進出を決めた。

強い日差しが赤土のコートに照り付けるなか、日よけのために着用していたキャップは使用できないと試合直前に審判から指摘された菅野。そのため、「サーブのトスが太陽と被って、まぶしい」と困惑もあったが、柔軟にアンダーサーブを選択し、試合を進めた。第1セットは互いにブレークする展開となったが、第6ゲームを先にキープし流れを掴んだ。第2セットは4-2とリードしたところから3ゲームを連取されて逆転を許すが、すぐに追いつき、その勢いを維持して取り切った。

2019年、2022年に続き、3度目の全仏オープンにして初めて白星を挙げた菅野。昨年は1回戦でダビッドソンに敗れており、借りを返した格好だ。菅野は「今回はワイルドカードなので、気負わずに、挑戦者の気持ちで戦えたのが良かったと思う」と振り返り、世界1位のニールズ・フィンク(オランダ)と対戦する準決勝に向けて、「今日みたいに、自分の引き出しをぜんぶ開けていくくらいのつもりで挑みたい」と意気込みを語った。

大谷は盤石のプレーで準決勝進出を決めた

女子シングルスは、大谷桃子(かんぽ生命)がホタッツォ・モンジャネ(南アフリカ)に、6-0、6-4で勝利した。序盤から丁寧な配球で試合を作り、チャンスを生み出すテニスでモンジャネを追い詰めていく大谷。第2セットはミスを最小限に抑えた安定したプレーで、粘る相手を振り切った。モンジャネとは接戦になることが多く、直近の2試合も大谷がフルセットで勝利している。大谷は「毎回そうなる」と苦笑いを浮かべつつも、「今日はディフェンスとオフェンスの切り替えができていた」と、ストレート勝利の手ごたえを感じた様子だった。7日の準決勝は、“女王”ディーデ・デ フロート(オランダ)と対戦する。

また、上地結衣(三井住友銀行)は、カタリナ・クルーガー(ドイツ)を6-1、6-1で下し、対戦成績を15連勝とした。準決勝では、イスカ・グリフェン(オランダ)と対戦する。

男子シングルスは、世界ランク2位の小田凱人(東海理化)がルベン・スパーガレン(オランダ)に6-2、2-6、6-4のフルセットマッチを制した。ファイナルセットは小田が5-2とリードするも、2度のマッチポイントをしのがれ、さらに2ゲームを連取されてしまう。しかし、第10ゲームは相手のダブルフォルトで3度目のマッチポイントを握ると、最後はベースラインぎりぎりの深い場所へサーブリターンを決め、1時間46分の激闘を締めくくった。

小田は試合後、「準決勝に残れたことが嬉しい。終盤はビハインドな状況もあったけれど、絶対に勝ちたいという気持ちが湧き出てきて力になった。この勝利で一層自信がついたし、準決勝も頑張りたい」と力強く語った。

また、三木拓也(トヨタ自動車)は、世界ランク3位のグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)に0-6、4-6で敗れた。フェルナンデスは昨年、クレーコートの試合20戦のうち17勝を挙げ、ランキングトップ5の中では最も高い勝率(85%)をマークしている。クレーコートで圧倒的な強さを発揮するフェルナンデスに対して、三木も粘りを見せるが届かず、昨年の全米オープンに続く勝利にはならなかった。三木は、「彼のクレーでのボールのスピン量への対応能力が課題」と振り返りつつ、「今回の全仏では、かなり濃い2試合ができた。パリパラリンピックも含めて、今後に生かしたい」と話し、前を向いた。

女子ダブルスは、上地・モンジャネ組がAngelica BERNAL(コロンビア)・船水梓緒里(ヤフー)組に、田中愛美(長谷工コーポレーション)・朱珍珍(中国)組がチリとドイツのペアに、それぞれストレートで勝利した。また、男子ダブルスは、ステファン・ウデ(フランス)・眞田卓(凸版印刷)組がチリとオランダのペアに勝利した。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)