〈東京パラリンピック〉車いすテニス/クアードシングルス準々決勝(8月30日、有明テニスの森)
車いすテニスのクアードシングルス準々決勝が行われ、世界ランク6位で初出場の菅野浩二(リクルート)が同4位のデビッド・ワグナー(アメリカ)を6-4、6-2で下し、準決勝進出を決めた。菅野は初出場で4強入り。試合後、「次につながる大事な一勝。素直に嬉しい」と笑顔を見せた。
第1セットは2ゲームを先取されてからの逆転。第2セットも丁寧なショットで幾度とスペースを突いてくる相手に対して、菅野は持ち味の強打で応戦。徐々にワグナーからリズムを奪い、主導権を握った。
菅野はパラリンピック初出場で、開会式の日に40歳を迎えた。一方、47歳のワグナーは過去4回のパラリンピックで単複あわせて8個のメダルを獲得しているクアードのレジェンド。ここまでの通算成績は菅野の2勝5敗と負け越しているが、コロナ禍で改良したサーブで追い込み、精度が増したバックハンドでリターンエースを奪うなど、多彩かつ冷静な攻撃で結果につなげた。
試合は連戦で、31日にシングルス準決勝があり、また9月1日にダブルス3位決定戦が控えている。右肩は古傷を抱えているが、「痛いとか言ってられない」と菅野。目標のメダル獲得に向け、最後まで走り切るつもりだ。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)