車いすテニス — 2017/5/19 金曜日 at 23:24:30

【JAPAN OPEN】眞田、三木はフルセットの激闘もベスト8で敗退、上地は準決勝進出

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対フェルナンデス戦で壮絶なラリーを繰り広げた眞田=筑豊ハイツテニスコート
対フェルナンデス戦で壮絶なラリーを繰り広げた眞田=筑豊ハイツテニスコート

「第33回飯塚国際車いすテニス大会(ジャパンオープン)」は19日、男女シングルスの準々決勝などが行われた。

男子は眞田卓(凸版印刷)が2回戦で国枝慎吾(ユニクロ)をストレートで破ったグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)と対戦。セットカウント1‐1とした第3セット、眞田は第3ゲームをブレークされるが、すぐにブレークバック。第5ゲームは壮絶な打ち合いを制してリードするが、ファーストサーブの確率が上がらず、強烈なフォアのリターンエースなどで返され、このゲームを落とした。そこから流れをつかみきれず、3-6、6-4、2-6で敗れた。

「今日はサーブがポイントだった」と話す眞田だが、今は用具や動きなど新しいチャレンジに取り組んでいる最中で、焦りはない。今年の目標は「ウィンブルドンと全米オープンを狙いつつ、世界マスターズに出場してポイントを上げること」。グランドスラムに出場できるのは世界ランク7位までで、そこにワイルドカード1人が加わる。現在の世界ランキングは日本人最上位の9位。まずは8位の壁を超えることをめざし、自分のテニスに向き合っていくつもりだ。

「自分のテニスがどこまでできるか、を考えて試合に臨んだ」と三木
「自分のテニスがどこまでできるか、を考えて試合に臨んだ」と三木

また、三木拓也(トヨタ自動車)は世界ランキング1位のステファン・ウデ(フランス)と対戦。5-7、6-3、3-6で敗れた。第3セット中盤までは互いのサービスゲームをキープする互角のテニスを展開したが、第6ゲームでブレークを許し、相手に波に乗らせてしまった。「勝負所で集中力をピークにもっていけなかった。相手は高いボールを多用してきて、自分の低いアングルへのバックハンドを封じられて苦しくなった」と振り返る。

三木もまた、今年のグランドスラム出場を目標に掲げる。2014年には全仏オープンに出場しており、「(グランドスラムに)戻りたくてしょうがない」。トップ7との差は「メンタル」だといい、「とくにウデや国枝さんはどんな状況でも動じない。僕は今日はイライラや焦りが募り、意地の張り合いで負けた部分がある。彼らのように純粋に駆け引きだけで試合ができるようにならないと」と話し、さらなるスケールアップを誓っていた。

ノーシードながらシード選手を破って準決勝に進出したサコーン。20日に上地と対戦する
ノーシードながらシード選手を破って準決勝に進出したサコーン。20日に上地と対戦する

女子の第1シード・上地結衣(エイベックス)は第6シードのルーシー・シューカー(イギリス)に6-3、6‐1でストレート勝ち。20日の準決勝は、2014年アジアパラ競技大会チャンピオンで、今大会は第3シードと第5シードを破って勝ち上がったカンタシッタ・サコーン(タイ)と対戦する。上地がマリヨレン・バウス(オランダ)と組むダブルスは決勝に臨む。

(取材・文・撮影/荒木美晴)