北京パラリンピックは5日に競技初日を迎えた。国家アルペンスキーセンターでは滑降が行われ、女子座位の村岡桃佳(トヨタ自動車)が金メダルを獲得した。日本勢のメダル第1号。
今大会、5種目すべてにエントリーしている村岡が、最高のスタートダッシュを切った。急斜面や厳しいカーブが続く難コースで途中で転倒するなどしてゴールにたどり着けない選手が多くいるなかで、最初からゴールまで攻めの滑りを披露。ライバルのアナレナ・フォルスター(ドイツ)に0.82秒差をつけて優勝した。
5個のメダルを獲得した前回の平昌大会後に陸上競技に挑戦。昨夏の東京パラリンピックに出場したのち、スキーに復帰した。陸上で鍛えた体幹はスキーのターンの安定性やキレの良さにつながり、高速で駆け降りチェアスキーがはじかれやすい滑降種目でもブレない滑りを見せた。不安や緊張を抱えていたが、3日間のトレーニングランで「いける」と手ごたえを掴んだという村岡。結果につなげ、「日本代表選手団主将として、メダル獲得で日本チームを勢いづけたいという想いがあったので、それが実現できてうれしい」と安どの表情を見せていた。
また、男子座位では森井大輝(同)が銅メダルを獲得。レース後は「順位より、コースの恐怖心から解き放たれた」と率直な想いを吐露し、「ゴールできてよかった」と笑顔を見せた。森井は6度目のパラリンピックで、どの種目でも上位を狙えるオールラウンダー。トリノ大会から連続で表彰台に立っており、今大会では悲願の金メダル獲得を狙う。
(取材・文/荒木美晴、撮影/Kohei MARUYAMA)