長野県で行われていた「ジャパンパラリンピックアルペンスキー競技大会」が、22日に閉幕した。会場の白馬八方尾根スキー場は、稀に見る雪不足のため、スタートとゴール地点を変更してレースが行われた。バンクーバーパラリンピックまであと1年に迫り、プレシーズンの最後となる重要な大会として注目が集まるなか、熱いレースが繰り広げられた。
初日の20日は濃霧に伴う視界不良のため、予定していたレースは順延。翌21日は朝から快晴となり、スーパーG(スーパー大回転)とスラローム(回転)が行われた。スーパー大回転では、立位クラスは三澤拓(LW2)が優勝。座位クラスは谷口彰(LW11)が、知的障害クラスは好調の田川聡史が制した。回転では、立位で三澤が2位に2秒以上の差をつけて圧勝。2種目を制し、存在感を見せつけた。
最終日の22日はジャイアントスラローム(大回転)を実施。朝からあいにくの雨となったが、雪が締まって滑りやすいコンディションとなった。立位では、阿部敏弘(LW6/8-1)が2本目でただ一人34秒台をマークして優勝。三澤は1本目の3旗門で失敗し、失格となった。座位では、山本光文(LW12-2)が回転に続いて2連勝。視覚障害クラスの田中千章(B2)はすべての種目で、また女子座位ではベテランの青木辰子(LW10-2)が田中佳子(LW-12-2)を抑えて優勝した。
回転と大回転で優勝した山本光文は、レースを振り返り、「欲を出さず、練習通りのレースができた。もっと筋力をつけてダイナミックな滑りをしたい」と話し、来季に向けて手ごたえを感じていた様子だった。
なお、大日方邦子、鈴木猛史、森井大輝らはカナダに滞在中のため、今大会には不参加。また、東海将彦も怪我のため参加していない。
(原稿/荒木美晴)